Panasonicの折りたたみ自転車・ライトウイングのクランクとリアスプロケットなどを自力でなんとか交換した話

折りたたみ自転車を買ったのが2016年の春。それから約1年半たち、本日一部自力でパーツ交換による増強をしたのでその顛末を書こうと思います。

ベースとした自転車はこちら。Panasonic製のアルミ折りたたみ自転車・ライトウイング。ちなみに僕の車体の色はオレンジ。

折りたたみ自転車といえば、Dahon, Tern, Birdy, Bromptonといったメーカーが有名ですが、そういうところに手を出さずPanasonicのライトウイングにしたことにより情報が多く得られないだけでなく、蓋を開けてみると「あれれ」ということも判明しました。

改造の結果がこちら。

本日の改造の成果

ENDO Shinobuさん(@enshino)がシェアした投稿 –

実施した改造のメインは、フロントのクランクセットの変更とボトムブラケットの交換、そしてリアスプロケットの交換。あとはちょいとした交換で、サドルの交換、ペダルの交換、そしてバーエンドバーの装着です。

これが誰かの役に立てばと思います。

はじめに

そもそも折りたたみ自転車を買おうと思ったきっかけは、2016年3月に行った瀬戸内国際芸術祭に行くことにしたから。トリエンナーレ的な芸術祭は2012年・2015年に、新潟の「大地の芸術祭」に行ったことがあったのですが、その2回とも現地で電動自転車を借りて山中を縦横無尽に走り回って芸術作品を鑑賞しました。特に2015年は、ベースとなる北越急行のまつだい駅から「土石流のモニュメント」まで片道13kmを走って見に行ったら、その夜に宿泊したゲストハウスで夕食時に他の宿泊者に軽く引かれました。

さて瀬戸内国際芸術祭は、陸続きの山々を回る大地の芸術祭と違い、島を渡って、さらにその島のなかを巡るという特性から、自転車を各島で借りるのも気がひけるな、と思いました。特に小豆島は、東の坂手から西の土庄まで通り抜ける(逆でもいいけど)のが良いだろうと思ったときに、借りて元の場所に戻すのは億劫だと思いました。

「ならば、折りたたみ自転車を買おう」

そうして購入したのはPanasonicのライトウイング。購入先は新品ではなくオークションです。別に新品でなくてもいいなと思いつつ、DahonやBirdyはいい値段での取引がなく、とはいえその辺の安い折りたたみ自転車にするのもなぁ、と思っていた矢先、オレンジのライトウイングが27,800円でした。定価の半額か、ならばキメよう、と思って購入しました。今思えば、DahonやTernのスポーツモデルをローンで買っておけば、なんて。

そんなわけで購入したオレンジのライトウイングで、神戸→(フェリー)→小豆島坂手港→小豆島土庄港→豊島→直島→豊島というルートの旅をしました。折りたたみのよいところは、疲れたら途中ですぐにたたんで運べるところ。その一方、山道はやはりしんどかったのは事実です。そしてその同じ年、熊本地震の復興支援に行った際にも、機動力を高めることを目的に折りたたみ自転車を持参し、熊本市内と益城町の行き来をしました。

その後、休日には自宅近くの渡良瀬遊水地を自転車で2〜3周まわる運動をし始めた2016年夏。ただ、乗って行くうちにわかったのは、どうにも速度が出ない、ということです。18インチ・7段変速が付いていても、その7段目=一番歯数の少ないギアで走ってもペダルが回りきってしまうということです。当然、ロードバイクよりも速度が遅い。

それもそのはずです。自転車のタイヤがそもそも小さいと、どれだけ漕いでも進める距離には限界があります。それに、惰行性能が落ちるのですぐ速度が落ちてしまうのです。そのことを知ったのも最近でした。その一方で、折りたたみのコンパクトさは捨て難い。そうなるとイジるのはギアの歯数、そしてそれによるギア比だということがわかりました。

ライトウイングのギア比を変えよう

自転車のギアは、フロントとリア、つまり前と後ろについています。当たり前ですね。ロードバイクは、フロントもリアも双方変速できるのですが、残念ながらライトウイングはフロント変速をつけることはできません。リアは7段変速になっています。ライトウイングの場合はこのようになっています。

  • フロント:46T
  • リア7速:13-28T

一番重い7速の場合のギア比は3.54、つまりペダルを1周させると、後ろは3.54回回る、という計算です。さらに18インチタイヤ(外径が653mmと仮定)では、1回べダルを漕ぐと7.26メートル進む計算になります。

どうやら、他の様々な折り畳み自転車を見ていると、このフロントクランクの歯数が50を超えるものが多い様子でした。

これは、変えたい。

クランクだけでなくリアも変えればギア比をあげて高速化もできるだろう、と思いました。結果としては、

  • フロント:56T
  • リア7速:11-28T

にして、7速のギア比を5.09にすることを目指しました。これで、一漕ぎで10m進みます。もちろんこれにより、軽い方の変速のギア比も以前に比べて重くなるのですが、実は過去のライドにおいては1−3速はほとんど使わないので、むしろ重い方をさらに重くする方が高速化もできるだろう、と思ったのです。

そんなことを考える最中、2017年になり、仕事で北海道美瑛町に、そしてプライベートで広島県福山市に行くことが決まり、美瑛にせよ広島にせよ、これは自転車を持っていかねば、と思い、ギア変更の計画を始めたのです。結果、広島に行き、福山のついでにしまなみ海道トライをする旅程を組み、その前の週に当たる今週末、交換を目論みました。

で、結局なにを購入したのか

さまざまなサイトで情報を収集しながら徐々にいろいろなことがわかりました。そして最初にAmazonで買ったのがこれらです。

メインはとうぜん、クランクセットです。これを交換しないことには始まりません。それ自体は5000円以内で購入できてしまいますが、それに加えて、

  1. 純正の樹脂ペダルのバネ部分が錆びてきたのでペダルを変えたい
  2. ハンドルがT字型なのだが、長いこと乗ることを考えるとバーエンドバーが欲しい

と思いました。しめて9000円です。ちなみにライトウイングのクランクとフロントギアは分離することができない一体型のため、ギアだけを外して交換するということはできません。また、今回購入したクランクは最大で58Tの歯数もあるのですが、そこまで増やしてしまうと、折りたたんだ時点で地面にギアが接地してしまうので、56Tがギリギリのところです。

さらに今回は、リアのスプロケット(7速)も購入することにしました。購入はヤフオク!でしたが、Amazonでは以下の商品が同じものになります。

もともとライトウイングについていた13-28T/7SのリアスプロケットはSHIMANO製でしたが、最小が11tのものはもはやSHIMANOでは在庫がないようです。もとい、これにはもう一つ補足が必要です。「ボスフリーの」11tが最小のものはSHIMANO製はない、ということです。

ん? ボスフリー? このことを知らないままだと誤った購入をするところでした。ライトウイングの購入時点の後輪は、ロードバイクで主流の「カセットフリー」ではなく、平たくいえばタイヤ自体にそのまま回しつける「ボスフリー」というタイプでした。残念ながら安価な自転車に利用される技術のようです。

ここまでで約1.3万円。さぁこれで意気揚々とサイクルベースあさひに出かけました。

サイクルベースあさひで取り付けできなかった問題点

さて、素人作業にせず、サイクルベースあさひに頼もうと思って部品を持って行きました。持ち込み部品でも作業を受けてくれるCBAはさすがです、ただちょっと申し訳ないので、チェーン交換とボトムブラケット交換は依頼しようと思っていました。が、預けてみてわかったことがいくつかあり、残念ながら交換作業はできませんでした。

  1. クランクを取り外すと、付いていたボトムブラケットのクランク取り付けがネジではなくナットだったため、残念ながら購入したクランクがBB軸につけられない
  2. 購入したDnPのリアスプロケットを取り付ける工具が、CBAにあるものだと短くて取り付けられない

なんだと。今回取り付けられないと来週になってしまう。そうするとしまなみ海道トライができないではないか。

そこからさらに猛烈にネットを調べます。そこでいくつかわかったことがありました。

  1. ライトウイングについているボトムブラケットは、カップアンドコーン型と言われるタイプで、しかもわりと「ゴリゴリ」しているらしい
  2. しかもだいたいネット上で記事を出している人は、BBをカセット型のものに交換しているらしい
  3. DnP製のボスフリースプロケットを取り付けるための工具=ボス抜き工具は、SHIMANO製だと長さが足りない

結果的に家に帰ってAmazonで追加発注です。それがこれら。

フリー抜きについては、レビューを見てもDnP製ならこれが互換だと記載がありました。他方、BBについては、ネットを参照すると、そもそもカップ&コーン型のものを取り除いてカセット型のものを入れている人が多く、その大方がTANGE製のカセットBB、68/122.5という構成のようでした。これはSHIMANO製のカセット型BBでも互換性があるので、今回はこちらを購入しました。小田原発送で日曜日には到着。さすがのお急ぎ便です。

何を思ったか、自分でやろうと思い立つ

さてどうやらここまでの部品を購入して、あとはそれらをCBAに持参して取り付けてもらえばOK、となるわけですが、ただ何を思ったか、思いつきで「自分でやってみよう」と思ったわけです。というのも、

  • そもそも純正部品じゃない改造になるので自己責任にせねばならないだろうな
  • 工賃かかるくらいだったら自宅にある工具でやれるんじゃないか

と思ってしまったわけです。前日に見積もりを出してもらったところ、工賃だけでも6000円程度にはなりそうだと言われたので、だったら自分でやってしまおうと思いました。ところが、残念ながらクランクを抜く作業とカセット型BBを取り付ける作業にはそれぞれ工具が必要です。そこでCBAにおいて

  • クランクリムーバー
  • カセット型BBリムーバー

を購入します。そのついでに、スポーツタイプのサドルも購入しました。サドルの交換は、サドルピラーのネジを外せば簡単にでき、かつその時点までに行った北海道美瑛でのライドや、練習のつもりで行っていた渡良瀬川ライドでかなりケツを痛めていたので、おそらくサドルが悪いだろうと思って、純正サドルよりも少し長いものを購入しました。この時点で1.8万円まで到達。

さて、家に帰って作業を開始します。が、その時点でいくつか問題が。

家にあったプライヤーレンチでは、全く歯が立たない
クランクを留めるネジやナットを外すには14mmのボックスレンチが無いとあかない

特に、プライヤーレンチは本当に使い物にならず、六角のボルトを回そうにも、ボルトを噛んでくれず全然回らない。ああ、これはやっぱりモンキーレンチがないとだめだ、と思い、近所の電気屋さんから工具を借りました。やはりモンキーレンチは必要品でした。

結果的に、

  • プライヤーレンチ
  • 300mm モンキーレンチ
  • 10mm – 12mm – 14mm ボックスレンチ
  • 元々持っていた六角棒スパナ

を使うことになりましたが、この過程で、上3つは必要になった度にホームセンターまで買いに行きました。ここまでで2.1万円を消費。

で、何をどう作業したの?

もはや途中で写真を撮るのを忘れていました。なので残念ながらテキストでの記述になりますが、ご容赦下さい。

  • バーエンドバー
    • 取り付ける部分の幅を目分量で測る
    • その測った幅のところでハサミをハンドルに入れ、もともとついてたゴムを切る
    • ゴムが切れたらバーエンドバーを入れて六角棒スパナで締める
  • ペダル
    • 先にクランクにペダルを六角棒スパナで取り付ける(詳細に説明するまでもなくクランクへの取り付けは簡単でした)
  • リアスプロケット
    • 後輪を支える部分のカバーを外し、後輪軸のボルトを外す
    • するとそのままタイヤが外れる(というか、自転車フレームってタイヤに乗っかっている感じで、U字の逆みたいになっているだけなのね)
    • タイヤを外したら、購入したボス抜き工具をスプロケットに差し込み、モンキーレンチで回す
    • そうするとスプロケットが外れるので、外したら逆の工程で新しいスプロケットをつける
  • クランク
    • クランクを外す
    • まずクランクの軸部分のカバーを外す
    • 14mmのボックスレンチを使って純正クランクをくっつけているボルトを外す
    • クランク抜き(別名コッタレス抜き)をクランクにはめる(ネジを締めるようにクランクに入って行きます)
    • モンキーレンチでクランクにはめた部分(ボルト状になっている)を支え、一方六角棒レンチを反対側にさし、棒レンチ側を回していく
    • すると、まるでテコの原理のように、キツく嵌っているクランクが抜ける
  • BBを外す
    • 進行方向から見て左側についているリングをプライヤーレンチで外す
    • さらに同じ方向ののBBカバーをモンキーレンチで外す
    • そうすると、BBの軸が取れる
    • 進行方向から見て右側についているBBのカバーを外す(ちなみにこれにかなり力が必要となった)
    • BBの中に入っているゴムっぽいものを取り外して中を綺麗にする
  • BBとクランクをつける
    • カセット型BBをとにかく頑張って取り付ける
    • BBが嵌まったら、クランクを付けて14mmボックスレンチで取り付ける

作業上大変だったこと

とにかく自力作業は大変でした。必要になったタイミングでわざわざ工具を買いにいくということも大変でしたが、一番苦労したのがBBの取り外しと取り付けでした。

とにかく、もともとついていたBBのカバー、特に進行方向右側のカバーを外すのが大変でした。これは残念ながらモンキーレンチでしか外せません。下の写真が、元からついているBBのカバー部分ですが、(見難いと思いますが)進行方向左側のBBのカバー部分は、回すために引っ掛けるところがきちんと出っ張っているので回しやすいものの、進行方向右側のカバー部分は、引っ掛けられる部分の幅が3mm程度しかないので、モンキーレンチですら引っかかりませんでした。

さらにいうと、ネジの目の部分が潰れていたらしく、進行方向右側が取り外せないし、その逆で進行方向右側が全然回ってくれない・入っていかない、という状況が続きました。そのために、もう無理やりカセットBBを入れ込んだ感じがするので、たぶん二度と外して交換するというのはできないと思います。

交換の仕上げ、そしてその結果

そうして作業が終わり、よし、そのまま漕いでみようと思って変速を重ねていくと、1速でチェーンが外れる事態に。ああそうか、やはりクランクの歯数を増やしたのでチェーンの長さが短いのだろう、と気づきました。そもそもチェーンも汚くなっているのでチェーン交換をすることにしました。

これは自分にはできないのでCBAにお願い。この時点でチェンーン代と交換代で2.5万円まで行きました。しかもCBAの店員に言われたのは、チェーンの長さは問題ないものの、1速までいくとチェーンラインが斜めになりすぎてしまい外れてしまうとのこと。チェーンガードをつけると良い、と言われましたが、それはまた今度にしました。最後にはリアディレーラーの調整もしてもらい、はい、交換おわり。

その後、家に帰ってから、交換の効果を試して見ようと思い、渡良瀬川ライドに出かけました。片道約7km、土手のサイクリングロードは約5kmの道のりでした。結果は、大変上々。特に、7速に入れた際に、回し切ってしまったという感覚はなく、ずっと回転させられ続ける感覚がありました。実際、この走行データを見ても分かるのですが、最高巡航速度は一瞬30km/hを超え、土手においても向かい風で20km/h、追い風だと25km/hが出ている感じでした。これが以前のクランクだと5km/hぶん低い速度だったと思います。これは劇的です。さらに、バーエンドバーやサドルの変更によって、やや姿勢を前傾にできたためか、ハムストリングを使って走っている感覚も得られました。

まとめ

さて、今回の顛末のまとめです。長かったのですが、これをぜひ他の改造希望の方に活かして欲しいと思います。

  • Panasonicのライトウイングは、そのままのギア比だとだいぶ軽いので、特にフロントクランクのギア歯数はあげたほうがいい
  • ギア比アップをする際、フロント側はカセットBBに交換したうえでクランク変更をすべし
  • カセットBBは68/122.5のもので大丈夫
  • リアスプロケットはボスフリータイプなので7速のものは手に入れにくい
  • 台湾のDnP社製のボスフリーにはボス抜き工具が必要になるし、SHIMANO製では長さが足りない

で、結果的には購入した時と同じくらいの金額をかけた交換になりました。この装備でもって、来週はしまなみ海道の半分ほどのライドをしてきます。せっかくチューンアップしたので、良い旅にしたいな、と思っています。

参考文献

おそらくネット上に転がっているライトウイングの改造情報は、以下がほとんどだと思います。


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