ライティング技法ワークショップ講義メモ 第3回 07.10.22
本日の論題
(1) 「価値のある情報」とはどのような情報か
・ 情報の価値はどこに生ずるか
「文書の中には情報がある」←本当にそうなのか
自分と相手は、受け取る情報が同じか?
文書の中にそのまま情報が備わっていて誰もが等しく取り出せるものではない
⇒情報とは読む人が読み取ったときに発生・読み手次第で内容が変化
→読み手によって価値も変わる
・ 情報とコンテクスト(=文脈)
書き手の側では「本当に読み手に価値を与えるのか?」
←読み手がどんな文脈で読んでいるのかを意識すべき
A「おいあれとって」B「はいよ」の「あれ」って何?
→AとBとでは互いに「あれ」を共有=コンテクストを共有
コンテクストの共有
=共同生活、長い付き合い、すでに「あれ」について話題に出た
自分が語る言葉が相手にどうとられるか=自分を取り巻くコンテクストと読み手を取り巻くコンテクストがどれだけ重なっているか
→場合によっては誤解・トラブル
コンテクストを読み解くヒント
読み手を取り巻く文化の中で使われる語彙など
(SFCの中では人々は「言わずもがな」、三田とSFCでは通じない)
・ 「価値のある情報」への入り口は…
有用性という切り口(役に立つ)←文書が役立つものならポイント高い
おもしろさの提供(笑い・興味)←ハードル高い
(2) 「文書の主題」をどうやって決めるべきか←これをクリアしないと訳が分からない文書になる
・ 「要求」の把握
期日・文量・指定図書・お題←目に見える要求
年配で、権威であり、過激な論調を嫌う人間へ見せるレポート
←内容など、明示的ではない・潜在的な要求
=汲み取らなければいけない要求を見いだして書く
・ 「準備状況」の把握
要求に対して、答えられうる準備は今どこまでできているのか
準備状況が完全でない場合にどうするか
←求められる要求に対してそぐわないといけない
・ すり合わせ
今できている事と要求とをどう折り合いを付けるか
→できていないからといって出さない訳はいかない
(3) 発想法としてのKJ法
文化人類学(=自分と違う文化圏でフィールドワーク)の川喜田二郎が、論文をまとめる上で使用。
・ 図解によるアイデア(発想,理念,思想)の創造
1.カードを書き出す(=ブレストと一緒)1文のみ、文で書く
2.「近いと思ったものはこっち」と、分類する
3.グループのものを配置して図解する(見出しを決める)
・ “直感”の重要性
分類も、見出し決めも、線で繋ぐのも直感で決める
もとから頭にあるカテゴリーで分けない(←先入観が入ってしまう)=ひらめき重視
・ グループKJ法の意義
参考文献
川喜田二郎, 『続・発想法』, 中公新書, 1970.
よくまとめましたね.自分(私)が何を話したのかを振り返る上でとてもいい資料です.その意味で,この記事は私にとって「有用な情報」です:-)
s07154seこと(かつenshino.biz管理人のenshinoこと)遠藤です。
>斎藤先生
コメントありがとうございます。うれしいです。
実はこのノートは途中からグズグズになっていたんですが。。。
先生にとって有用な情報となった様でうれしいかぎりです。
このノートをまとめる上では先生の授業メモ(アジェンダ?)がかなり役に立ちました。
今後も授業ノートは掲載していきますので、事前の授業メモの掲載を継続していただけると非常にありがたいです:-D