2月2日にはいろんなことがありまして、たとえばその前の日までだったレポートの提出期限を逃してしまい、先生に平謝りしたり、修士論文発表を二日連続で見て怖いなぁなんて思ったりしていました。その日はかなり忙しく、実は抱えている二つのプロジェクトに関するMTGがあったため、新宿に・大宮に、移動していった感じでした。どんなプロジェクトだったか、リリースはもう少し待ってくださいね。で、その二つの会合でいろんなことを学んだので書いておきます。
一つ目の会合1:とあるスゴい方と会った
あるプロジェクトに、司会者として関わりそうです。そちらの話は、出しちゃっても良いんだと思いますが、関わり方とプレスリリースを待ってから私のブログでは告知することとします。で、そこでお会いしたのが、かつて日本人ながら某検索大手の重役を務めた方と、アジア版TIME誌の表紙を飾った方です。後者の方は私の学校の先輩でもあるのですが、ここまでいうと分かっちゃうと思います。他に、高校の学校の先生と、プロジェクトの主催者のご担当がいました。
私がそのプロジェクトに司会として関わることが決まった際、いくつかの選択肢をいただき、その元重役の方とのセッションの司会が担当できると面白いかもなぁ、と思っていました。結局、それは私がやるのが不適切だとなったものの、その方との打合せに同席させていただいた、というのが内実でした。そして分かったことは以下。
- 大人はすごい。超えなきゃいけないおじさまたちはいっぱいいるけれど、彼らは強い。特に、全共闘世代のおじさまがたはものすごいパワーを持っている。
- なぜ強いか、その一つにあるのは「コッペパン、スキムミルク、クジラの立田揚げ」からスタートした、ということがあるかもしれない。
- 世界は、英語ができる人間とできない人間に分かれる。だから英語はやっておかなきゃいけない。だからといって、国語をおろそかにはしない。
- 国内か、海外か、という議論ではなく、国内は海外の中にあるという意識が必要だ。だからこそ英語は筋トレ的にやるべきだし、リーダーになる人間はノブレスオブリージュが求められる。
- だからといって、その元重役の方がすんなり英語を話せるようになったかと言ったらそんなことはないし、コンプレックスに似たものさえ持っている。英語話者のスタッフの周りでぽつんと「英語が分かんない」自分でさえ、重役ができた。
この話でインパクトが強いのは、2と5でした。なんであの世代が強いのか。ヘッドハンティング会社のリストに名前が載るほどの人物なわけです。その人物に言わせれば、その後進に当たる人がいないそう。後進が育たないのはなぜか。そのことと、この「コッペパン、スキムミルク、クジラの立田揚げ」ということが関係があるのかもしれない、と考えると、ただただ畏れます。それから、5の話。人生の勝ち組だと言われるような方だと僕は思っていたんですが、そんな方が苦労無しにそこまで登り詰めるわけなどないわけで、英語においての苦労と苦手意識があったということが意外や意外でした。だから彼は、「英語をやれ」と言うんでしょうね。私は「英語は外国語とコミュニケーション能力のきっかけとして与えて、あとは学びたい人間が学べば良い」「英語が必要なのはもう仕方ない。わーきゃーわめいても経済的に考えて英語がツールとして使える人材がいなきゃ困る」と考えています。だけれども、グローバルに活躍していた大物が、実は英語が分からずぽつんとしていたことが意外でならなかったし、そう聞くとメッセージが切実に聞こえました。得難い経験でした。その経験を与えてくれたその人物が誰かは、そのうち判明すると思います。ちなみに、個々に書いた話は私の聞き書き→私の考えですから、私の解釈が多分に入っていることをご了承ください。
一つ目の会合2:初対面で言われたこと
で、その会合にいた、某NPO代表さんと初めてお会いしたのですが、、非常にインパクトのある発言をいただきました。
「前髪がさわやかじゃない。おしゃれ眼鏡が真面目めがねに見えるから、眼鏡を外したらどうか」
いや、その発言、あまりにも的を得ていて、しかも会合の前に散髪しようかと考えていたくらいなので、なんだかスカッとしました。そりゃそうだよな、という感じ。そこから分かったことは、以下。
- 人は見かけで判断されるから見た目が大事だ。
- 「人を見かけで判断しちゃいけません」というのは、人は見かけで判断されるという習性の裏返しだ。
それはそれで、まったく失礼なことを言われたとは思わなかったし、ごく素直にアドバイスを受け入れ、早速美容院の予約を入れたほど。そりゃ就活生が右へ倣えで髪型やスーツを気にかける理由が分かりますよ。その方が印象いいもん。いくら「個性、個性」と言えど、やっぱり印象よくあった方が良いに決まってる。ちなみに、その方には「肌キレーイ」と褒められたので、髪型が陰気さを出していたのだと気付いたわけで。髪型さえどうにかすれば、きっと僕は悪くないと信じたいのです。
で、話には続きがあって、その方と一駅分電車でご一緒したのですが、その時に言われた言葉でびっくりしたことがありました。
「最近何してる?」
何気ない一言ですが、これの答えに窮してしまいました。後から振り返って、ここでもっと面白い話ができればなぁ、って思いました。「卒論」って回答はネェだろう自分、と思い始めると、後悔しっぱなし。その人は必ず、あった人に「最近何してる?」と聞くらしい、というのを、どこかで聞いた気がしました。そのことも後から思い出して萎えましたよ。ああ、自分は面白くねぇなぁ、と。そういう意味で「おもしろい人間」にならなきゃいけないんじゃないかな、なんて思ったりしました。
この、見た目と中身の印象ということに気付いた出会いは、かなり刺激にあふれていたわけで、当然その後のツイッターのつぶやき数は増えたのは見え見えです。もっと人間的に魅力的にならなきゃいけない。その意味では、じっくり付き合ったからこそわかる良さだけでなく、インパクト勝負の良さも磨かなきゃいけないんだ。なんて思いながら次の会合に行ったわけです。
二つ目の会合1:小学校の先生たちっておもしれぇな
で、埼玉の大宮に移り、小学校の先生方とMTG。なぜ繋がれたかって言うとツイッターのちから。ソーシャルネットワークの威力ってすごいし、そこでプロジェクトにつながっていく場合、なかの人は結構いい人が多いって思います。もうすぐこちらのプロジェクトはリリースができるはず。
で、その先生方とプロジェクトに関する話し合いをしていて分かったことですが、そこに来ている先生方は外に対してアンテナを張りまくって、自分の授業を改善したり、教員としての研鑽を積んだりするために、どんどん勉強会に参加しているんです。いろんな実践をやっている。すごくバイタリティにあふれていて驚きました。もっといえば、人間的に魅力的な方ばっかりでした。
そもそも、そうした自己改善や自己研鑽の研修・プロジェクトに関わるって前に、児童生徒たちと接したり、日々の公務分掌や業務をこなさなければならないわけです。それでも先生方はMTGにやってきて、すごくいい雰囲気のなかで話し合いをしていました。その先生方のネットワークのなかに自分がいて、しかもすんなりとけ込んでいる(と思い込んでいた)状況がびっくり。素直にうれしかったし刺激的でした。しかも、素性をあまり知らないはずの私を、それなり信頼していただけたことがうれしかったんですね。
教育実習中は、ものすごく大変だった、という感想を常に吐露していた自分は、こんな先生方の動き方を見習わなければならないほど怠けていたのかしら、と思いました。だって、なかにはその日に教育委員会の訪問・研究授業を実施した先生もいたほど。そんな日は忙しいに決まってます。それでも来た、すごいとしか言い様がありません。しかもその先生方は、ツイッターでつながっているし、毎週末のように研修会に行っているんです。
MTGでは、そうした先生方の動きと情熱に触れることができ、自分としてもうれしくてアツい時間を過ごせました。それだけでも学んだ(というか、感化された)部分が多かったのですが、まだ話は続きます。
二つ目の会合2:国語はどう教えるか
ラーメン屋に行き、いろいろな談義をするわけですが、そこで良い情報を聞きました。私は学習塾の講師をしているのですが、国語を教えるのにだいぶ苦労するのです。そんななか、国語科をしっかり研究なさっている先生から、いろんな情報をいただきました。かいつまんで以下。
- 物語の構成は、状況設定→発端→事件1と解決→事件2と解決→事件3と解決(=クライマックス)→発端の解決(=結末)、と捉えると、読み解きも執筆もうまくいく。
- 物語はだいたい2種類しかない。それは、どっかから来る話か、どっかへ行く話のどちらかだ。
- クライマックスはコマ送り、どうでも良ければ早送りされる。
- 大きなカブの話は、どんどん付け加え付け加えになっているだけだが、実は最後の方にライバル同士が恊働している。それに比して、三匹の子豚の構成はきわめて理論的である。
- 描写と説明の違いは、ドラえもんに関する映像が浮かぶか、単なるその説明か、の違いで、説明はwikipediaに掲載されているようなものだ。
これだけでもだいぶ、面白く物語を教えられそうです。説明的文章の構成は自分のなかでだいたい分かってきたけれども、物語はうまく教えられてこなかったんです。これを授業にいかしたいな、と思いました。しかも驚いたのは、この1については、小学校学習指導要領解説に載っているらしい! すると、学習指導要領は案外捨てたもんじゃないんだな、というか、槍玉に挙げられるようで、しっかりと設計されていることが分かりました。文科省のカリキュラムを批判する人は、ここまでちゃんと読み込んではいないだろうなぁ、と思ったほど。
まとめ
この二つの会合、ご一緒した皆さんはなんというか対極とまではいかなくとも、違うタイプの方々でした。とにかく、どちらからも感化を受けたわけです。そうした刺激を受けられる環境でプロジェクトができることは単純にうれしいことですね。追ってリリースしていきますが、とにかく双方のプロジェクトとも、心してかかっていきたいなと思いました。がんばるか。