年末ですね。だいたいこの時期になると、Facebookでは年末のご挨拶と共に振り返りをする人が多く見られます。私もだいたい年末ポストを作成しようとしては、それが遅くなってしまうことで結局年明けに更新することが多かったのですが、今年位はこのタイミングで「書き切ろう」と思います。
良い振り返りというのは本来、以下のようなプロセスをたどると思います。
- 目標を立てた上で行動をし、その目標と実際の行動の差分を事実として捉え、その差分が生まれた要因を特定して、次の目標達成のために必要な教訓を一般化する
- 起こった事実・事象を、「うまくいった」「うまくいかなかった」に分類し、それらがうまくいった/いかなかった要因を特定して、明日以降へのアクションプランを立てる
しかし大変残念なことに、私はこの手の振り返りがてんで得意ではなく、つまり、そもそも目標を立てて走り出すタイプでもなければ、アクションプランをつくるということに抵抗すら覚えるタチなので、イケてるビジネスマンの類にはなれません。
ようやく最近になって再認識したのは、自分の行動の根源が「ちやほやされたいだけ」ということなので、結局は自尊心を保つためにも「自分がなにをやったか」という成果にたいしてニンマリしているのが気持ちいいんですね。なので今回は、そういう振り返りにしたいと思います。
そう、「これ、俺やったったわ〜」という、2015年の成果を集めました。
お客様との新年懇親会のセミナー資料作成
私の勤務する会社では消費者購買履歴データのサービスがあって、2014年末まではその部署の集計担当をしていたのですが、2015年の1月1日付で人事に異動したにもかかわらず、この仕事だけは1月半ばの本番まで引き続き持ち続けました。
何をしたかというと、シニアアナリストが話す「2014年のヒット商品振り返りと2015年の展望」における、ヒット商品分析とそのスライド化。仕事の進め方については難ばかりでしたが、結果として作り上げたアウトプットにはかなりの自信があります。もちろん分析そのものは、上司であるマネージャーやシニアアナリストの力が存分に含まれていますが、スライドのクオリティは、その前の年にスライド作成を担当した同期社員をしても「負けた」と言わしめるほど。
分析としても非常に思い入れのあった「妖怪ウォッチ分析」は、お菓子カテゴリの商品をひたすら名称検索でキャラ別にカテゴライズするという壮絶な下準備のもと、2013年と2014年でキャラクター商品の人気の移り変わりを提示した力作となりました。結論、妖怪のせい、という話でしたが。
第27回小出国際雪合戦・3位チームの監督
毎年出場している小出国際雪合戦、ツアーのスタッフである私は、もはや出場者ではなく、チームの「監督」をしています。ただ、監督と言ってもたいしたことをするわけではないのですが、チームのメンバーの頑張りのおかげで、私が監督したチームがなんと3位に。出場約200チームのなかで、ほぼ素人同然の都会人の女性5名が3位につけることができたのは快挙です。
なにより、個々人が自分のすべきことが何かを常に考えて行動し、チームメンバーどうしで一つの原則に基づいて動くというプレーができたことが勝因だったと思います。私のしたことといえば、ひたすら声を出して「次に攻めるべきは誰か」「現状では攻めるべきか守るべきか」といった判断を伝達することでした。それでも、チームを作り上げて勝利を得た快感は忘れられません。
会社説明会で突然のラジオ番組風コーナー
人事になって最初の関門が、会社説明会でのスピーカーができるかどうか。もともとテンプレとして用意されているスライドパッケージも、自分が話しやすいように改変しながらロールプレイングを突破し、大阪出張をしての初舞台を終えたその次の週くらいのことです。なにを思ったか、突然休憩時間に「ラジオ番組風に、来場者の質問を読み上げて答える」ということをしました。
そもそも、会場があったまった状態で進めたいと思い、開始前に着席している就活生の皆さんに付箋を配布し、「今日の説明会で知りたいことを付箋に書いて、テーブルの人と共有してください」というのを始めたところがことの発端。それをそのままにするのも勿体無いと思い、休憩時間中に突然会場の後ろの方から「はい、それではですね、いただいた質問に答えるコーナー」と始めたわけです。
上司からは、「お前それは突然すぎるだろう」と注意を受けつつも、「彼なりのイノベーションだと思ってください」と来場者にフォローを入れていただきました。おそらく他の誰にも再現できない、突飛な説明会になったに違いありませんが、そうした「小さなイノベーション」をしていくことは、自分のささやかな楽しみでもあります。
新卒導入研修(4月)の運用
コンセプトデザインをしたのは自分ではないですし、各コンテンツの実施をしたのも私ではありませんが、主担当者として、59名の新卒の受け入れを行ったことは、私にとっても大きな自信になりました。当事者意識の涵養がテーマだった研修において、私が最後に新卒たちに伝えた「常に前のめり」と「あとはうまいことやっときます」という精神は、やはり自分の根幹にあったのだということを、約2ヶ月の研修運用を通じて再認識しました。
前述の通り、多くの人を巻き込まないと前に進めることができないプロジェクトが新卒研修です。そのステークホルダーのみなさんと、常に顔を合わせてコミュニケーションをとり、どのようなストーリーを描くかということを、おそらくそれまでの業務以上にしてきたと思います。そうした、思いや目的が、「企て」の仕事においていかに重要かということを痛感する機関でもありました。
社内研修「Microsoft Office研修シリーズ」の実施
学びたい人が学べる環境をつくり、その学びが会社の成長を加速させること。これをビジョンとして掲げ、研修コンテンツを整備していく仕事が現在のメインの仕事なのですが、その最初の一歩であり、また自分でも誇れるコンテンツが、このMS−Office研修シリーズです。ExcelとPowerPointについて、それぞれ「活用・効率化」をメインにしたコンテンツと、「デザイン・魅せ方」にフォーカスしたコンテンツを用意し、約4ヶ月間運用してきました。
「教える」という志向性性が強くなりがちな自分自身が、「やらせる」という方向にシフト出来たこと、そして、それまで我流で進めてきたツールの扱い方をいったん体系化することが出来たこと、これらが自分の中において良かったと思える点です。ただそれ以上に、受けた社員からの評判や、「知らなかった」という反応を得ることができたのは、大きな自信につながりました。
アカデミーキャンプ「キャンプライト」
アカデミーキャンプと、それを起源とするFDBA(ドラゴンボート)の活動は、正直言うとこの5年目にしてそこまでコミットしきれなかったという反省があります。猪苗代湖での大会の実施、磐梯山の麓での夏キャンプ、なかなか事前からの関わりが出来ていないなぁ、という忸怩たる思いを抱えながらもフル日程で参加したキャンプでは、「最強の当日要員」らしく、メインファシリテーターを務めました。
キャンプファイヤーができない、という状況下で実施した、サイリウムを使ったプログラム「キャンプライト」では、事務局長とともにアイディアを絞り、ゆずの「夏色」に振りを付け、それをサイリウムを持って踊ってもらう、という無茶振りを実施。結果的に生まれた「大きな5時半の夕焼け」で本当に夕焼けを表現するチームや、「君を自転車の後ろに乗せて」で自転車を組体操的に表現するチームなどを見て、だからワークショップはやめられないんだよな、と思いました。
人の結婚式を写真や動画で祝う
二次会オンリーも合わせると、都合9回も人の結婚を祝っていたのが2015年。うち半分は、スタッフとしてなにかしらの手伝いをする、という参加でした。いよいよここまでくると、あとやっていないのは「友人代表のスピーチ」と「新郎」だけになります。もはや、結婚式は「スタッフやるからタダで」というのが自分の「あたりまえ」になりつつあります。
表参道のアニヴェセルでの披露宴ではカメラ係を務め、フラワーシャワーの後の新郎新婦を追いかけると、表参道の通りで通行人に祝福される姿を撮影するという演出に遭遇。目黒のCLASKAでの披露宴では、(披露宴に出席していないのに)エンディングムービーを作成し、新郎新婦宅から会場までを歩いて参列者のスナップ写真をおさめていくという作品を作成。また横浜のジンジャーズビーチでの二次会では、新婦へのサプライズムービーを実施当日に編集・納品するという荒技まで実施。もうだいぶ、慣れてきました。
第二新卒+新卒導入研修(10月)の実施
4月の受け入れよりも人数は少なくなり、その一方で仕事上のパートナーを得た上で携わった10月の導入研修は、「調査を実施する」という、スケジュール的にもワークロード的にもかなりハードなプログラムにトライする、ということを実施しました。それは、調査の流れを知ることよりもむしろ、その後の振り返りを通じたチームビルディングを志向したものでした。
結果的には、「仕事に向き合う上で生じる『壁』を認識し、それを乗り越えようとする」ことを各人に促すことが出来た機会になれたと思います。非構成的エンカウンターの手法を取り入れたグループワーク振り返りの中で、それぞれがワークに向かう上で思っていたことや持っている価値観をシェアする瞬間は、とても良い振り返りができていた時間だと思います。2016年の4月に向けての様々な知見を貯めることが出来たという点でも、良い経験でした。
Professional Seminarの実施
会社の成長を加速させる研修コンテンツの一つとして、イノベーションを起こし続けているその道の第一人者を呼んだセミナーを定例開催しようという話になり、実質的にその第1回目となる回を私が担当。どうしても呼んでみたかった人を、どうにかフェイスブックのつながりから掘り当て、実際に講演をしてもらえることになりました。
当日のアンケートをみると、パネルディスカッションで司会がでしゃばりすぎていて正直微妙だった、という反応があり、つまり司会である僕がイケていなかったのでかなり反省はしましたが、あえてパネルディスカッションの形をとって話を進めていくという流れにしたこと、その流れを作る上で考えに考えぬいたことは、「やったった」感を大いに持つことにつながりました。イノベーションを起こす人だって実際はしんどいんだ、つらいこともあるんだ、という現実を、本人の口から引き出すことができたときの快感は、忘れられません。
納会「ミラクルチェンジ大賞」の編集+出演
2015年の最後の仕事は、売りにはなんら繋がらない仕事。しかし、文化をつくるといううえではとても重要な、納会での出し物の映像作成です。2014年の「キスマイブサイク」のパロディに続く2作目は、ミラクルチェンジの「Beforeドキュメント」の作成。チェンジされるモデル、チェンジするスタイリストへのインタビューと邂逅シーン、そして試しに着替えてみたシーンの撮影を、最終的に映像に変えていく12月最終週は、自分が何の仕事をしているのかすらわからない週でした。
さらに驚くは、結局人員調整の関係で私自身が出演者になったこと。つまり、自作自演となったわけです。会社の命を受ければ、髪を切る・髪を染める、そんなこと厭わない、むしろオイシイ、とまで思えるほど、麻痺をしている自分に気づきました。そういうの、嫌いではない。なによりも、約200名が見ている前で自分の編集した映像がウケていること、そして自分の変身が驚きをもって迎えられていることの快感は、2015年の仕事納めとしては最高でした。
こうして振り返ると、かなりの部分が、本業の仕事で埋まっていることに気づきます。それはそれで良いこと、というか、そういう時期なのかもしれません。「くわだてる」ことはむずかしいこと。そう気付いた2015年は、人事として「守」の1年。向こう2年かけて、「破・離」を達成させていくためにも、2016年は、主副とわず、様々なことにチャレンジしたいと思います。
ありがとう、2015年。