外語アンケートの考察 その2

 そういえば、考察にに入る前に外国語科の特徴を述べるべきでしたね。あくまでもenshinoの個人的意見である事をご確認ください。
 不動岡高校外国語科は、各学年1クラス、定員40名前後・男女共学のクラスで、男女比率は女子の方が多いです。高校がいわゆる進学校であり、外国語科も授業が若干大学入試を意識したものとなっています。普通科が実施するリーディングやグラマーなどの他にも、第2外国語など外国語科独自の授業が存在します。英語に関する特徴的な授業を紹介します。
 「英語表現」では、主に英文ライティングのセンスやプレゼンテーションのセンスを磨きます。エッセーコンテスト、スピーチコンテストの実施や、2年生では英語ディベートを学習します。「異文化理解」は、英語の学習というよりも外国の事情について調べ学習を進めていくものです。ですが、レポート作成やプレゼンテーションでは英語を利用します。「LL演習」は、リスニングと発音を鍛える授業です。1、2年生は発音を主体に授業しますが、3年生になると大学受験でのリスニングを意識した聞き取りを主体にします。「時事英語」(3年生)では、英字新聞を教材とし、高度な英単語の学習と時事問題に対する意見を英語で述べる訓練をします。
 このように、普通科の授業よりも発展させた授業が目立ちます。ほとんどにおいてALTが指導に加わります。しかし、見ていただいて分る通り、英文を書くことに重点が置かれている傾向があります。英語を「喋る」事はあっても、それはすでに原稿が用意されたスピーチやディベートのみで、原稿を用いない「会話」を学習する機会は少なく感じます。この事をふまえて考察をしています。


 その2では、Q5〜Q8を扱います。4つの設問では8つの項目のなかで当てはまるものを全て選んでもらっています。複数回答なので単純な総計では比較できませんから、パーセンテージに変換して比較しようと思います。
 その8つの項目とはこれ↓
     a.英語の本や文章を読む   b.英語で文章を書く
     c.英語を聞き取る      d.外国人(ALT)とゲームなどで交流する
     e.英語でスピーチをする   f.英語で話し合いをする(ディベート等)
     g.英語で会話をする     h.文法・語法を勉強する
     i.英単語を覚える      j.その他
 項目の設定は私の独断と偏見です。なので、その他の意見も多く見られました。
 上位から順にすべて(その他も含めて)掲載します。「○と●」の場合は同立です。

Q5.どんな英語の活動が得意(好き)ですか?
   1年生: d g a cとh b e fとi j
   2年生: d g a c b eとh f iとj
 上位4つと下位3つは、1年2年とも結果が一致するなど、ほぼ同様の結果がでました。「外国人との交流」と「英語で会話」は似ているところがあり、その点で英語を使ったコミュニケーションに喜びを感じているということの現れであると思います。
 なお、その他の一例として「英語の歌を歌う事」(2年)がありました。

Q6.どんな英語の活動が苦手(嫌い)ですか?
   1年生: fとi h e b c a g d j
   2年生: eとhとi f b g aとcとd  (jは0%でした)
 文法と英単語の学習は双方で上位につけています。受験英語の勉強の中心となりますが、どうしても苦手意識がついて来てしまうのでしょう。傾向としてはQ5と反対になっているといえると思います。気になるのは、「スピーチ・話し合い」といった表現系の活動に苦手意識をもつ生徒が多いという事です。1、2年生とも5位には「文章を書く」があがっていますから、原稿を用意するという点で苦手意識を持っているのでしょうか。

Q7−1.中学時代の英語と比べて、授業で増えたと思う内容は何ですか?
   1年生: b h e aとc i g f d j
   2年生: h bとeとf aとg i c dとj
 上位3つは似通っています。「文章を書く」「スピーチをする」は不動岡高校の特色である「英語表現」の授業で多く扱われています。2年生4位の「ディベート」は、2年生になってからの活動ですので、1年生の上位には無かったと思われます。
 ちなみにその他には1年:英語に触れる時間、予習の必要性、内容理解 2年:発音練習、予習、うたたね、小テスト、文の量 がありました。

Q7−2.中学時代の英語と比べて、授業で減ったと思う内容は何ですか?
   1年生:d g j c aとh     (残りはすべて0%)
   2年生:d j i cとeとfとgとh (aとbは0%)
 双方で1位の「外国人(ALT)との交流」は、ダントツでした(1年生44%、2年生50%)。外国語科の特徴的な授業ではALTの指導を乞う事はありますが、ゲームなどの交流は格段に減りましたね。普通科ではさらに接点がなくなります。
 その他の回答が大変多かったので、代表的なものだけ紹介します。
   1年生:理解する時間、復習の時間、英文和訳、英語の歌
   2年生:発音練習 集中力 基礎の確認 歌 ボーっとする時間
 不思議な回答もありますが、目を引くのは「英語の歌」でしょうか。中学英語では、英語学習の導入として英語の歌を用いる事が多いと思いますが、私の場合、高校ではほとんど触れませんでした。

Q8.将来的に身につけたい力・積極的に体験したい事は何ですか?
   1年生:g bとeとf c j a dとh i
   2年生:g c f b a e dとiとj h
 「英語で会話する」スキルを身につけたいと思う生徒がやはり多かったです。それに伴って、「話し合い・ディベート」のスキルも上位に入っています。受験勉強系の「文法語法学習」「語彙力」に関心のある人は少なく見受けられました。「将来英語を必要とするか」との問いにおいて全員が「はい」と答えましたが、ほとんどの生徒が「コミュニケーション・ツール」としての英語を意識しているのではないかと思います。英語を使って自分から何かを伝えるというスキルを望んでいるのではないでしょうか。
 その他の回答には「外国での留学・生活」が多く見受けられました。

 集計結果から見ると、次のような事が考えられます。
1.「好きか嫌いか」は、「楽しい・おもしろい」と感じる事が出来たかによる。
2.コミュニケーションを楽しむ生徒は、英語が好きだ・得意だと答える傾向が高い。
3.「英語=勉強」という意識を持つと、嫌い・苦手と思う傾向がある。
4.高校に入ると、ALTとのゲームや英語の歌など、「遊び」の要素は格段に少なくなる。
5.しかし、その「遊び」の要素に近いアクティビティの方が、生徒の人気が高い。
6.将来的にはコミュニケーションのスキルが必要だと考える生徒が多い。
 「楽しい・おもしろい」といった喜びを感じることが学びにおける自主性を高めるものだと思います。不動岡の外国語科の生徒にとってのそれは、受験英語などに代表される「英語という教科」ではなく、「コミュニケーションツールとしての英語」なのだと考えます。

 しかし、単なる集計結果だけでは見えてこない事もあると思います。いくつかの気になる回答もありました。「その3」では、それらの「気になる回答」にフォーカスし、その設問以外の回答にも目を向けていきたいと思います。


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