「ロード of インタラクティ部」とは

 enshinoコトバ力project!の第1弾は、「ロード of インタラクティ部」です。高橋ジョージからインスパイアされたタイトルですが、別にハーモニカを吹くわけではありません。
 私の母校である古河第三中学校で、「インタラクティブ・フォーラム(以下インタラクティブと表す事もあり)」に出場する予定の生徒を中心とした有志の2&3年生に英会話の指導補助を行い、参加生徒のコミュニケーションスキル・会話力を一緒に高めていきます。そうした指導を通じて、コミュニケーションの本質、中学校でのコミュニケーション教育と英語教育のあり方を考えます。また、インタラクティブでの指導内容を発展させた授業を研究実践していきます。

 第0章は、本年4月からの指導開始に向けた事前学習と指導計画作成にとりくみます。不動岡外国語科生徒へのアンケート、高校入試問題分析、中学校授業参加を通じて中学英語の実態を研究します。インタラクティブ経験者へのアンケートを通じて大まかな指導計画(到達目標と一部の指導ストラテジーの考案)をしていきます。ブログ文章をまとめて、「中学校における英語教育の実態と英会話指導への方向性(仮題)」を題名としたレポートを作成し、それをSFCのAO課題とします。
 第1章では、実際の指導を日々リポートします。毎回の指導計画、実施の実況と感想、生徒・担当教員からのフィードバックなどを掲載します。現段階では、市内大会まで連載を続けます(県西地区大会・県大会までの指導をこれに含めるかもしれません)。

 今回のProject!は、母校である茨城県古河市立古河第三中学校に実施許可をいただき、英語担当の先生を中心に学校の協力のもと実施します。


 茨城県の中学生を対象に行われる英語力を競うコンテスト「インタラクティブ・フォーラム」。実施されてからそれなりの年月になりますが、既存のスピーチコンテストやエッセーコンテストに比べてまだ浅く、その取り組みは全国的には知られていません。
 単純に言えば英会話コンテスト。個人の英語力以上に、会話のうまさや盛り上がり、コミュニケーションの円滑さが求められる大会です。3人が向かい合って座り、指定されたお題に関して会話(世間話?)をする。たったそれだけ。でもそれを英語で行う事、そこには原稿が無い事、なにより初対面の人といきなり話を盛り上げなければならないこと。ルールは単純そうで難易度が高いのです。

 「ちょうど3年前にこの道を通った」僕です。中学校2年生のときには県大会、中学校3年生のときには県西地区大会と、連続して上位大会へのきっぷを手にする事が出来ました。この結果自体はは後々推薦入試に大いに役立ったのですが、そんな事が成果ではありません。
 小学生の頃から英会話に触れて来たので英語は得意でしたが、この「インタラクティブ」は私の英語への興味に再び灯をともしてくれました。英会話には自信があったものの、なかなか思うように喋れない事はもどかしく、自分の課題を見つけることができました。日本の外国語教育について関心を寄せるようになったのも、「インタラクティブ」がきっかけでした。
 なにより、会話のセンスというものを考える良いきっかけになったと思います。私の会話スキルやセンスが完璧ではなくむしろ下手だと思います。だけど、インタラクティブでの心構えやストラテジーは、そのまま実生活での会話に生かす事が出来るのです。初対面の人といきなり会話をする事や、嫌でも会話を広げる事が求められますから結構いい訓練です。当時の私は、とにかくおもしろくする、おもしろがる事を重視していました。ゲラゲラ笑いながら椅子から転げ落ちた事もありますが、それが楽しい雰囲気を作ったこともありました。

 と、いうように、それが有効であったか無効であったかは別としても大きな影響を残した経験である事は間違いありません。そして、私の周りにいるインタラクティブ経験者も口を揃えて、「楽しかった」「いい経験になった」と言います。
 学ぶ事の第一歩は楽しむ事ではないかと思います。楽しんで英語に触れる事で英語に対する興味を育み、学力だけでなくスキルも向上させる事が出来る。会話する事が楽しいと思う事で他者とつながる事に抵抗を感じにくくなり、より積極的で友好的なコミュニケーションスキルを身につける第一歩となると思います。
 「interactive」という語をコウビルド英英辞典でひくと「お互いにコミュニケーションし合うしている状態」という事が書いてあります。ジーニアス英和大辞典でひくと「相互に影響し合う」と書いてあります。コミュニケーションを目的とした英語アクティビティであり、英語スキルとコミュニケーションスキルが相互作用し合うアクティビティって事でしょう。そう考えるとかなり魅力的な活動・メソッドであると信じていますし、確かにそうだったと思います。

 「自分にとって実り多くいい経験=自分の中では正しい」という根拠の無い確信があるからやってみようという思いに至っています。現在の子どもたち・若者たちのコミュニケーション力が変化している、不足しているから色んな社会問題が生まれ、教育現場が特に多くの問題を抱えているという、(どこか薄っぺらな)問題意識が故にこのProject!を動かそうとしています。
 そうした信念に対して素直に突き進むつもりですが、それらに存在する暗黙の前提(僕にはまだ見えない)をひっくり返して本質を捉える事が出来ていません。でも、ゴールの一つが「コミュニケーションの本質を考える」なので、今までの信念がひっくり返る事も恐れずに進めたいと思います。

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