人は、忘れる。いろんなことを忘れる。記録を残しておかないと忘れるのに、それでも想い出に残っているとしたら、よっぽどよかったんだろう、と。
浪費癖がひどいので、実家に帰って1年経つのにまったくお金が貯まらないのですが、その原因がちょっと分かってきました。おそらく、いろんなところに行きすぎています。大半が一人旅で、そこで散在してしまうのが諸悪の根源かもしれません。それでも、行ったことは無駄ではなかったと思っているので、この際、今年「行って良かった」と思うところを羅列しておきたいと思います。ご参考までに。
瀬戸内国際芸術祭期間に行ったベネッセのアートサイト群は、もう有名になりすぎたほどに有名ですが、行く価値があったと思います。特に印象深いのは、直島・地中美術館で観る、モネの睡蓮。履き物を脱ぎ、モネのスペースに入ってくと広がる睡蓮は、スペースの白さとあいまって美しさを増します。平日の閉館ギリギリに行くと、ほとんど人が居ません。もう一つ、印象深いのは、豊島の豊島美術館。晴れた日ならば、ずっと留まっていたい、そんなゆったりとした時間を過ごせます。
4月:泊まれる学校・さる小
研修で利用しました。いろいろと賛否はありましたが、一棟丸々貸し切りで、なんでも使い放題というフレキシビリティは、ワークショップの可能性を存分に広げてくれるという意味で、非常に優れていると思いました。校長先生=館長と事前にやりとりをしっかりとしておいたおかげで、こちらのやりたいように使わせていただきました。廃校ではありますが、存外古い建物ではないので、オトナのキャンプに存分に使えるかも知れません。
6月:熊本県益城町
被災地支援で訪れたのですが、結局支援という支援の活動をした記憶はそんなになく、ただただおいしいご飯を食べに行ったという感覚ですらあります。ただそれ以上に印象に残っているのは、現地で支援にあたるNPO職員が口にした、「私、この帰り道の夕日が沈むのを見るの、好きなんですよね」という言葉。確かに、日本の中山間地域であればどこだって見られる光景かも知れませんが、たしかに九州は日が長いということもあり、いつまでも見られる夕焼けに心が洗われる気分にすらなりました。
行きつけの銭湯がある北品川・新馬場エリアの、旧東海道沿いにある、カフェ&本屋さんですが、木のぬくもりに囲まれつつ、いわゆるサードウェーブ系コーヒーが楽しめるお店で、非常に落ち着ける雰囲気でした。夏に行ったので、水出しアイスコーヒーを頼みましたが、そこで出会ったルワンダ産の豆の味が、自分の好みに一番近いと感じるようになりました。
9月:アムステルダム市立美術館
出張で行った、オランダ・ロッテルダムは、たしかに非常に住みやすい街でした。周辺にある、風車の町キンデルダイクや、ミッフィーの町ユトレヒトもよかったのですが、見応えのある施設という意味では、アムステルダムの市立美術館が一番好きでした。しかも、王立美術館(レンブラントの夜警があるほう)ではなく、ゴッホ美術館(実際は行っていない)でもなく、市立美術館が最高でした。それは私が現代芸術の虜だから、というのが一番の理由ですが、常設展も企画展も、満足度が高い構成でした。
10月:日立駅 シーバーズカフェ
茨城県北芸術祭を観に行くツアーを同僚と企画して行ったのですが、期間後も残るという意味では印象深いのはここ。海を見ながらおいしいパンケーキを食べると、なんとも「県北」というイメージを忘れさせてくれます。このまま、こういうロケーションの場所に住んで仕事ができたらなんと幸せなことか、と思うほど。駅のデザイン自体も洗練されていて、ここが「魅力度47位」の茨城県の一部であることがにわかに信じがたいと思いました。
会社の一部をコワーキングスペースとして解放するあたりは、さすがヤフーさんと思うほど。これまで行ったことのあるコワーキングスペースのなかでも最大級にデカいのは衝撃でした。ハンモックや個人集中用スペース、もちろん複数人で利用出来るベンチテーブルも用意されており、気分を変えて仕事をするには優れたスペースだと思いました。驚くべきは、そのスペースに入る上で、そんなにハードルが高くない、ということでした。
12月:トスラブ館山ルアーナ
これは別記事でも書こうと思いますが本当にオススメの施設です。関東ITソフトウェア健康保険組合の加入者であれば、予約抽選あるいは空き予約次第では一人からでも利用できます。海の幸をふんだんに使ったおいしい食事と、市場価格に比べて破格に近いお酒を楽しめる、そんな夕食に舌鼓を打ち、さらにはサンセットが必ず見える露天風呂でゆったりと過ごして、なんと1泊が5,000円を切る、という。千葉県館山市までの交通費がやや高いのですが、「なにもしない」をするにはぴったりの環境です。
こうして羅列して分かるとおり、都内の場所もちらほらありますが、だいたいはお金をかけないと行けない場所にあるため、浪費につながることがよく分かります。しかしこうして、どこかに行くという経験を積むと、さらにどこかに出かけたくなります。試しに、すでに来年行きたいところを羅列しても、
- しまなみ海道~高松までのポタリング
- 竜飛岬の階段国道と青森の美術館巡り
- 北アメリカ大陸での英語短期留学
と、すでにお金がだいぶかかる計算です。なので2017年は、きちんと予算を立てて、貯蓄が出来るようにしながら、仕事をしていきたいと思います。