アメリカでの臓器移植が成功した神達彩花ちゃんのニュースを見ました。
それを見て思ったことを書きました。彼女のために俺は何もできませんでした。しかし、何か書き残しておきたいと思って。
生まれつき臓器に腸閉塞などの不都合を抱え人工肛門を増設、その後肝硬変を合併し、余命宣告を受けた神達彩花ちゃん。今年1月に生まれ、9月には余命宣告を受ける。臓器移植をしなければ、生きることはできない。日本では15歳未満への臓器移植はできない。よって、海外でなければ移植手術を受けることはできない。良司・宏美夫妻は、渡米して臓器移植を受けた子供の事例を知る。
米・マイアミ。その事例を手がけた日本人医師・加藤先生がいる。彼にコンタクトをとった夫妻。しかし渡米手術資金は何と1億3千万。とてもだせる値段ではない。その時、夫・良司さんが相談した相手は、なんとかして救いたいといい、仲間を集めて募金活動を開始した。その仲間とは、地元茨城のサッカーチーム・鹿島アントラーズのサポーター集団。良司さんは、サポーターの中心的存在であったのだ。その後、多くのサッカーサポーターや、各種団体の支援を受けてきた。多くの募金も集まった。救う会の活動を知ったアントラーズ選手たちもオークションを開催するなどして支援をした。
募金活動開始から2週間でなんと1億3千万円を集めてしまったのである。神達一家は医療用ビザの申請を受け、マイアミへ渡米。アメリカへの飛行機の中で体調を崩してしまうも、渡米から4日後、ドナーが見つかり移植手術を受ける。約10時間に及ぶ手術は成功した。
これだけの短期間で1億3千万円ものお金を集めた、その募金の中心となったのがサポーターたち。本来日本にいるだけでは失われていた小さな命を救おうとするその勇気がこれだけ大きな力となったのだ。これは凄いことである。命を救いたいと言う気持ちは、平和な今の社会では誰しもが抱く感情であろう。その気持ちが結んだのが彩花ちゃんの命ではないだろうか。
今回の移植手術によって考えさせられたのは、命の大切さはもちろんであるが、人々の勇気が集まることによる大きな力の存在、そして子供の臓器移植に関することである。
現在日本では15歳以下への臓器移植は認められていない。しかしアメリカでは、多くの子供の脳死判定による臓器移植が行われている。生命倫理との兼ね合いや、親の気持ちを最優先すること等の障壁から日本では未だに行われていないが、俺は臓器移植は賛成である。
それを唱える前提として、俺は脳死判定の際は臓器を移植を許可しようと思う。親からもらった体、もちろん感謝しているが、俺は誰かの役に立ちたいと思うし、俺が死んでも臓器が生きていればつまりは俺は生きていることになれる。
さて、子供への臓器移植、日本で取り上げられているのは「求める」人々。しかしその陰で、「幼い」ドナーの存在を忘れては行けない。問題は、幼いドナーの親の気持ち。多くの親ならいくら子供が脳死判定を受けてもすぐに臓器移植させますと言える訳ではないだろう。でも、「うちの子の臓器が違う命を救うことになれば」と思う親もいない訳ではないだろう。もちろん子供にも生存権はある。子供でも、自分の命を選択できる権利はあるはずだ。だけど、法整備だけはしておいていいのではないのだろうか?
正直臓器移植の問題は答えを見いだせない。人間の生命に関することに答えはあるのだろうか、それが分らないからだ。でも俺自身は積極的になっていきたい。俺の臓器を他人の中で生かせられれば、俺は生きていると、俺は勝手に考えてます。
彩花ちゃん、生きてほしい。僕は募金に参加していない、けれど、彩花ちゃんの存在を知ることで、自分にできることを探そうという気になれた。ありがとう。