やっと大きな山を越えました。越えたと同時にやってきたのは、予想以上の達成感と予期せぬ喜びでした。
自分にとって初めてのグループワークである、憲法(統治)のサブゼミ・模擬国会の本番が、本日行われました。ある架空の法案について、実際の委員会審議及び本会議審議の流れに乗っ取って、国会における立法の過程を学ぶものです。
グループワークは委員会審議を担当するメンバーで行われ、法案の格子を作るところからスタートし、与党、反対派野党、是々非々野党、そして政府役の4つの会派に別れて、政党は法案に対する質問づくり、政府は通告された質問に対する答弁づくりを行いました。
今回の法案は、「学校教育に於ける奉仕活動の推進等に関する法案」だったけな、つまり高校の授業に奉仕活動を必修化し、さらに大学入学の要件としても奉仕活動を必須とする法案です。理念は素晴らしくても、制度的には。。。って法案でした。
さて、自分は政府役だったわけで。以前、高校の吹奏楽部の顧問に「お前の小論文は官僚の答えみたいだ」と言われたので、「あ、政府役がぴったりかな」なんて思って希望したらその通りになりました。当初は6名でスタートでしたが、様々な事情で3名に。政党が各自集まってミートをやっている最中、本来は質問を予想し回答を作るべきだったのですが、なかなかメンバーが集まらず、かなりヤヴァイ状態からのスタートでした。
実際にエンジンがかかったのは質問が通告されてからの事で、そのときには結局3名(大臣・高等教育局長・初中局長の俺)がフィックスしましたが、やはりヤバい状態には変わりなく、継続履修者の方に手伝っていただきながらの答弁作成でした。
さらにヤバい状態は続き、ここ2週間はずっと模擬国会にかかりきりでした。先週の金曜日は、何としても翌日までに答弁を全て作らねばならなかったため、敵役の反対派野党議員の家でもう一人の官僚と徹夜をしました。授業に全く関係ない友人を引きずりこんで、無理矢理政府役に加えました(後の副大臣)。その彼はやる気満々で、ヤヴァイ政府を救ってくれた救世主となりました。
いよいよ残り1週間となり、なんとか答弁を全て出し終えたものの、整合性をはかるなどの必要があり、相変わらずえぐい状態が続きました。そこへ来てまた、救世主があらわれます。与党から1名、政治家を引き込んできました(後の政務官)。彼の、そのキレる頭脳のおかげで、答弁整理もびっくりするほどのペースで進みました。そして、政府メンバーの役回りも決定し、私は初等中等教育局長を仰せつかったわけです。
いよいよ当日です。政府は、会派の名前にオリジナリティが出せないので、全員クールビズで臨みました。本番の怖いところは、どれだけ答弁整理に万全を期しても、それがどういった順序で質問されるか分らないところです。質問通告の時点では、質問は別個に通告されるわけですが、本番ではコンボでやってくるわけです。印刷した問答集をめくりながらどの質問をしているのかを探り、適当な人間が答えねばならないのです。午後いちで実施したリハでは、各議員が1問ずつ、口慣らしとして質問していったわけですが、その時点でかなり混乱してしまいました。政務官が、残り2日で万全の答弁整理をしてくれたため、いざというときは政務官が助けてくれました。
なんだかんだやっているうちに本番が来てしまいます。委員長が発言を始めましたが、まぁプレゼン慣れかな、緊張はあまりなく。。。
まずは与党の質問でして、与党は政府の味方ですから質問は甘い(党名がかりん党だけに)と思っていましたが、やはりコンボをかけられると混乱します。だけど、全体として与党に対してやさしい雰囲気でしたから良かったです。質問者も女の子でしたしね。
次は反対派野党でしたが、一番の山はここだと予想していました。ここへ来て自分でも問答集を追えなくなり、政務官の助けを借りる事が多くありました。いや、私の掌握する分野については出て行ってちゃんと答えましたよ。でも野党のヤジがものすごく、もはやおもしろく、ビビってしまいました。野党の追及はもっぱら文科省の縦割り行政と天下りについてで、それとなく切り抜けたものの、やはり力は強かった。特に反対派党首。
最後は是々非々会派でしたが、結局最後には賛成する「シナリオ」が組まれていましたから、やんわり来ると思ったら大間違い。そもそも野党のヤジの本丸は是々非々会派にいたSAだったわけで、相当な力強さで質問をぶつけてきます。特に制度運用に当たっての不備な点を鋭く追求され、政府役全員で必死こいて問答集を追っていました。初中局が結構引っ張りだされて大変でした。是々非々の党首はかなり有能な人間で、しっかりとした理論で追求してきます。加えてヤジのボルテージも最高潮に達し、政府としてはたじたじでした。最後の方には、問答集を追う事などせず、もうアドリブでの答弁が続いたわけですよ。
委員会審議は討論(賛成反対を明らかにして意見を述べるスピーチ)を経て、採決では与党と是々非々の賛成で可決、付帯決議は全会一致で可決し委員会審議は終了したわけです。大臣が最後の最後に奇跡的な笑いを提供してくれたおかげで、非常に楽しく終える事が出来ました。
問題は本会議でした。憲法の一般履修者が3名、反対討論を行いました。非常にロジカルで、しっかりした反対討論に感心してしまいました。その後の、参加者全員による投票で決議しました。結果、27対118で否決。やっぱり、委員会審議での野党の猛攻に、政府与党が勝てなかったんですよね。
いずれにせよ、このイベントを通じて、法律とコトバの関係にものすごく興味がわきました。ここまで言葉に対して忠実になるとは、自分でも思いませんでした。そして、立法の過程を学ぶ事が出来た事で、ある程度国会の見方も変わってくるかもしれません。なにより、官僚の仕事の大変さがものすごく良く分ります。準備のために拘束される時間と言ったら!!でも、法案が可決されると(シナリオ通りでしたが)、それはそれで達成感があります。
なによりも、優秀なメンバーに囲まれて、政府の一員としてここまで楽しいグループワークが出来た事が嬉しい限りです。メンバーと色んな事を話し、色んな意見を共有し、色んな見解をぶつけ合い、時に辛いと嘆きながらも、最終的にはあのステージ上でそれぞれが輝かしい答弁が出来た事がものすごく大きな事だったと思います。
最後の写真撮影では、満面の笑みで写りました。メンバーの何人かと交わした握手、それがこの模擬国会の達成感の現れです。本当に参加してよかったと思います。
エグくても、エグいだけその先にあるものは大きかった。それが僕の糧になる。
その後のお楽しみ&サプライズは、次の記事に続く。。。
政務官の鈴木です。お褒め頂きまして、ありがとうございます。ただ、模擬国会における私の貢献などはミジンコ程度でして、答弁も下手でした。遠藤局長に素晴らしい答弁作成&答弁をして頂いたために、模擬国会が成功したのだと思っております。お疲れ様でした。
様々な協力と補助を頂きまして、ありがとうございました。
充実してそぅで何より♪
副大臣の山本です。微力ながら、貢献できたこととても大きい経験となりました。「法」「立法」というものを体験的に実感する「模擬国会」の目的を一番よくなし得たのが、政府だったのではないかと思っています。遠藤局長の指揮がなかったら、政府側のあのまとまりはなかったと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
山本君が言って模擬国会ってシノビーの担当だったんだ(゜o゜)題材的にきつい内容だったとは思うけれども、とりあえず、お疲れ様でしたm(__)m
コメントありがとうございます。
>政務官
なにを、ミジンコ程度の貢献などとは思っておりません。模擬国会全体を通して考えれば、政務官は与党として質問作成に励み、政府として答弁作成にも励まれたわけです。あなたの、とんでもなくグルワでえぐいのにそこまででいる能力には敬服いたします。
>なっちゃん
はい、充実してますよ〜
やっぱね、SFCは間違いじゃなかった!
>副大臣
おっしゃる通り、模擬国会の意義を痛烈に感じたのは、まぎれも無く政府側ですね。官僚という役職への見方も、変わったのではないでしょうか。
いずれにしろ、ピンチヒッターながら多大な貢献をいただき、ありがとうございます。またいろいろと。
>なかしぃ〜
かなり、死ぬかと思ったわ。でもね、グルワが楽しくてしょうがなかった!
戦日やれば良かったと後悔。
遠藤文部科学省初等中等教育局長、お疲れ様です。
てか役職名長っ!!笑
大臣なのにお役に立てなくて申し訳ない。
法律や政治、現代、歴史、etcと全てにおいて力不足な僕を助けてくれた文部科学省初等中等教育局長には本当に感謝でいっぱいです!!もちろん文部科学省副大臣、文部科学大臣政務官、文部科学省高等教育局長にも大いに感謝しております!!
僕の扇子に書いてあった「めぐりあい」という言葉
まさしく君たちだ
ありがとう☆
いやはやお疲れ様でした。
とにかく忍ちゃんは官僚の役がとてつもなく板についてて、本番なのに野党はみんな笑いが止まらなかったわ〜w
いや〜、よくぞ我々の野次に耐えて頑張りました。感動した!
是非今後ともよろ〜
局長、お疲れさま〜
本と楽しい時間をありがとう!すごいいいメンツでできたことをうれしく光栄に思います!
またの機会があれば今度は同じチームで是非!
コメントありがとうございます。
>大臣
まさに「めぐりあい」ですね。
5人が妙なバランスで入れたからこそ、政府は最強でしたよ。
>さとしょうさん
いや〜、ヤジは楽しませてもらいました。
普段とは違う一面をかいま見れて幸せです。
運営の方も、本当にお世話になりました!
>ネコ党首
いや、ネクタイと言い、当日の質疑といい、
ぶっ飛んでたね!