オンライン学習のよもやま:①生徒からの質問に対応したくて、なんとか方法を考えた

児童生徒に家庭学習を課す際や学習状況の把握を行う際には、ICTを最大限活用して遠隔で対応することが極めて効果的であることを踏まえ、今回が緊急時であることにも鑑みると、学校設置者や各学校の平常時における一律の各種ICT活用ルールにとらわれることなく、家庭環境やセキュリティに留意しながらも、まずは家庭のパソコンやタブレット、スマートフォン等の活用、学校の端末の持ち帰りなど、ICT環境の積極的な活用に向け、あらゆる工夫をすること。

通称「文科省通知」(正式には「新型コロナウイルス感染症対策のために小学校、中学校、高等学校等において臨時休業を行う場合の学習の保障等について(通知)」)において、「いいからジャンジャンICT学習やれや」とでも言わんばかりのお達しをいただいたのだが、その頃には実は僕のオンライン学習熱はやや冷めていた。冷めていた、というよりも、足元からできるところをやっていこうと思い至った、というのが正しいのかもしれない。

そんな最中に行われた文科省の動画配信「学校の情報環境整備に関する説明会」で、担当課長が強い語気でこんなスライドを出したからたまげた。

Youtube動画からキャプチャしました

オンライン化は、待ったなしなんだというなか、「うまいこと、しれっとやる」の精神で、いろんな情報を収集したし、いろんなことを考えたし、いろんなことを実践している最中である。自分の記録として、バラバラと、残しておこう。

今回は、ある生徒からきた質問に対応する方法を考えてみた件。


ゴールデンウィークの中盤、やたらとインスタに通知が来まくった。断定はできないが、おそらく生徒と思しきアカウントにフォローされた。ただ、私はSNSで生徒からフォローされてもフォローバックしない主義なので、とうぜんメッセージが送られても気づかない。メッセージリクエストのボックスに入るから、こちらから見れるは見れるのだが、返信するとやりとりを承認することになるのでそれすらやらない主義である。しかし、困った。

「先生、これってeatじゃなくてhaveですか」

生徒は、課題の質問をインスタのメッセージで送ってきた。これはもどかしい。しかも画像も添付されているようだが、メッセージリクエストを承認しないと画像が見れない。しかもおそらく、その質問はGW明けに提出となる課題への質問だ。分散登校期間中に設定される自由参加の質問教室の時間では意味がない。

それで思った。休校期間中、ふと勉強をしているときに思い浮かんだ質問を、その瞬間に質問することができる方法はないだろうか。それが学習をオンライン化することの強みの一つになるんじゃないか。

実装の仕方はいろいろ考えられた。それこそいろいろと使い勝手がいいのが、MS Teams、またはGoogle Classroomな訳だが、個々人にIDを割り当てるサービスを導入するにはかなりのエネルギーが要る(それは今度書く)。一方、LINEを使うのも一手かもしれないが、プライベートのコミュニケーションツールの利用においては一線を引きたいのが正直なところ。LINEオープンチャットも考えたが、それはそれで面倒だ。

ところで、GW以降も休校となった場合に配布する学習プリントの第一弾(Week1)は、3月休校時の未履修部分の文法事項を学習する教材を制作したが、文法のまとめページにはeboardの学習動画へのQRをつけた。そのついでに、プリントの解答とプリントそのものをGoogle DriveにアップしてそのリンクをQRにして添付し、さらにはGoogle Formsでチェックテストを作成してこれまたQRを貼り付けた。そこで、これらの学習マテリアルがワンストップで閲覧でき、かつ質問もできる機能をつけられないか、と思った。

それならばGoogle Siteだ! そう思い立ち、研究の一貫だと言い聞かせて方法を探った。きっと、Blogにコメントをつけるみたいな、あるいはログイン不要の知恵袋的なAppやガジェットがあるだろうと思っていた。しかし探しても見当たらない。それじゃGoogle Sheetsを開放して書き込んでもらおうかとも思ったが、生徒たちがそのUIに慣れているとは到底思えなかった。

ダメか、と思いながらGoogle Siteをいじっていたら、どうやらFormsやSheetsの埋め込みが可能だと気づく。その瞬間「あ、これや」と思い至った。Formsで回収した回答をSheetsに自動で追加させ、そのSheetsを閲覧可能な状態にして、逐次僕が回答を書き込めばいいのか。

そして即実装に取り掛かった。Google Siteのページ自体にFormsを埋め込むと、スマホでのユーザビリティが下がる感じがあったので、質問フォームはボタンからポップアップに。Sheetsの埋め込みは、PCやタブレットならそのままリアルタイムのデータを表示できたが、スマホだとサムネイルへのデータ反映に時間がかかるらしいことがわかったが、それは些末な問題だろう。

で、できた仕組みのキャプ画が以下。ついでに実運用のための学習サイトとは別に外部公開用に別ページを作った(この別ページは個人Googleアカウントで運用しているが独自ドメインをカスタムURLにできることが分かり、そのためのDNS設定で2時間くらい遊んだのは内緒)。

こうすれば、Google Classroomを使えるようにするためにG Suiteを導入するべくめっちゃ苦労して管理職や教委に掛け合わなくても、はたまた慣れないツールを導入しようと四苦八苦しなくても済む。Sheets自体はAnyone with the link can veiwにしているので追記は僕しかできないし、Formsでいたずら書き込みを大量にされても僕がしれっと消せばいいだけだから、むしろいたずらするほうが徒労に終わるだけだ。

で、上記のような、セキュリティリスクに対応済みである旨を含めて校長に許可をとりに行ったら、「いいよ。むしろ人の質問が見れると、質問できない他の子どもにとっても参考になるかもしれないね」とのことだった。よしよし、いい反応をもらえた。いきなりの一歩ではなく、小さいステップで実験的に実施していくことを重ねる、そのスタイルでいけばいいんだ。

で、その質問機能を実装した学習サイトへのQRコードを掲載したプリント教材Week2を配布したのは今日。ほんとに質問くるのかな。。。こないんじゃないかな。。。

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