アンサンブルの前夜です。まだ眠れません。地元の駅前でギター弾きました。寒かったです。テンションはあがってます。でも不安で一杯です。
すいません、支離滅裂ですが、気持ち聞いて下さい。
俺は変わることができたのだろうか。このアンサンブルに取り組んで、自分を変えることができたのだろうか。今、本番を前にして不安に苛まれている。もう舞台慣れしたのだろうか、初めての吹連アンサンブル出場の前日にして緊張はない。しかし、不安が残る。一緒に帰った男に、「お前は考え過ぎだ、無心になれ」と言われたのだが、すまん、どうも無心になることは難しそうだ。
今回取り組んだ曲目は、ゴフ・リチャーズの「高貴なる葡萄酒を讃えて」より V.フンダドール そしてシャンパンをもう一本 と言う、酒がテーマの組曲の終楽章。先日曲のイメージから書いた小説を公開した。全体としてほろ酔い気分のハッピーな曲で、吹いている自分も、聞いているお客さんも楽しめるつくりになっている曲だ。
この曲をやると言われたのは1年前にさかのぼる。昨年のアンコン県大会のあとに、顧問に言われた。不動岡では今年、5年ぶりの葡萄酒となるそうで、その当時とは違い現在ではかなり有名な曲になっている。どうやら地区大会の4日間の間に、葡萄酒がない日はないとも言われているそうだ。明日も確認がとれているだけで、不動岡の金八ともう一団体が葡萄酒を演奏するらしい。
曲に取りかかり始めたのは夏の終わり。季節は校内アンサンブルコンテストに向けて全部員がやる気を出す頃だ。全ての部員がアンサンブル団体に所属し、9/30の校内予選に向けて練習をする。今回の葡萄酒チームは女子7人(Trp3,Trb2,Hr1,Euph1)と、男一人(Tuba1)だ。昨年、「ポギーとベス」という曲で金八を組んだメンバーがいたため、スムーズに練習に取りかかり始めた。今回は、「俺が代表やる!」と、お得意の目立ちたがりを発揮してしまった。
しかし、俺自身は練習において「代表」という事を全うできてはいなかった。あとから振り返ればあの頃の練習はどうしようもない物だったと思える。それも全て俺が不甲斐なかったからと、今更ながらに後悔している。細かいところに妥協をし、ただテンポと乗りに任せ、事に俺は技術が追い付いていなかったのにろくに練習せず、自信ばかり先行していた。そのたいどが、メンバーの反感を買っていた、しかしそれが表に出ることはなかった。顧問といざこざを起こしてしまった。それが校内アンコン前日だった。かなりへこんでしまって、メンバーには悪い思いをさせてしまった。校内アンコンは・・・吹連アンコン代表に選出された。そのときは喜んだ物の、すぐにそれはプレッシャーに変わった。第一、「落とそうかと思った」と言われるほど質の悪い演奏であったことは確かだった。
チャリティーコンサートとアンサンブル事前発表会(以下プレアンコン)に向けての練習が開始された。顧問の指導が入るようになった。しかし、まだ技術は着いていない、と言うか根本的な部分ができていなかった。「お前が上達しないのは、中学校の頃の少人数に慣れて、満足しているからだ」顧問にこう説教されたときは自分は自信を一気に喪失した。それから俺は息にこだわった練習をしてきたつもりだ。それでもなかなかできなかった。いや、今でもごまかしているところばかり。テンポ160で16分音符の半音下降、チューバのソロ。そこが不安の要素、でも練習をコンスタントに積んでこなかった自分がいる以上、できないのも当たり前だ。
それは抽選会に行った日の帰校後。メンバー全員でジェネジャンをやった(つまりミーティングね)。個人個人の思いを語ってもらった。俺も、自信過剰と練習不足の矛盾とか、代表らしくない行動への不甲斐なさとか、そんな事ばかり話してた。やはり他のメンバーは俺への鬱積がたまっていたらしく、かなり突っ込まれた。「代表だからもっとしっかりしてくれ」「正直練習がつまらなくなったときもあった」さくっと来た。ぐさっとではない。鋭く深くだった。彼女たちは「enshinoへの批判」と思っているらしい。でも俺にとってはそれは事実であり、課題だった。彼女たちへの文句などそのときは全くなかった。むしろ、あの「ぶっちゃけ」がなければ、俺はきっと今でも名ばかり代表になっていただろうに。
それから、俺は自分から進めていこうという気分を持ってやってきたつもりである。それでも分らないところは分らないと開き直った、彼女たちもそのくらいの態度を示す方がいいと思っていたらしい。それでもやっていくうちに不安が出てきてしまった。「俺、どう思われてんだろうか」俺のやってる基礎は十分なのだろうか、俺のやってることは皆に受け入れられているのだろうか、俺は皆に受け入れられているのだろうか。テンションのあがった練習をと思っていたのだが、どうもそこまで行ってないような表情を見うけるときが多かった。
外部講師の先生のレッスンを一度行い、テンポをインテンポでの演奏にすることになった。それ以前は、顧問の指示でゆっくりやる予定だった。しかし、そのレッスンから劇的に変わった。テンポをあげることでノリが良くなる。この曲のキーポイントはノリ。もちろん他の部分がしっかりできてこそのことだが、ノリが良ければ多くの部分を解決できる。実際、ノリのおかげで良くなった部分が多かった。そのレッスンを受けてから方向性はがらりと変わり、いい方向へ突き進むようになった。
チャリティーコンサートでは、パンフレット作りに追われた。これと金8の両立で、徐々にノイローゼになりつつあった。「今日合わせる?」いつ合わせるかと言う連絡を的確に出していなかったため、いつもそう問われた。そういうときに限ってパンフの方に手を出したかった。ぎりぎりにパンフをやっていたのが仇となった。そのときは、金八・広報のメンバーに本当に迷惑をかけた時期だった。もっと合わせていれば。チャリコンでは正直、その後悔が出る演奏しかできていなかった、全く自分が不甲斐ない。
2日間を空けてプレアンコンだ。チャリコンから解放され、やっとアンコン一筋になれるようになった。プレアンコンには多くの団体が参加し、いい刺激になった。ノリで攻める演奏、合わせる所はしっかり合わせる演奏をしようという目標を持つことができた。他の評価はだいぶ良くなってきたのだが、さらに課題が出てきた。余裕。これは現在に至るまで言われていたことだ。テンポの速さについていくだけになる演奏よりも、速いテンポに余裕を見いだす演奏の方が、曲の楽しさを客と演奏者とで共有できる。プレアンコン後は、合わせ中心に、楽しさと正確さの追求の練習が続いた。
合宿が始まった。加須市民プラザでの練習から始まり、ストーリー大会(葡萄酒のイメージ物語発表会)、本番のホールでの練習。食事は全て外食、夜はひたすら勉学とお菓子。ここら辺でかなりいい仕上がりになってきた。あとはそのテンションを保つことと、吹きすぎないことだけだった。関係は親密になった。が、僕としてはまだ不安があった。まだどうしても自分に対する評価を気にしている自分がいた。自信過剰かつ技術欠乏。理解してても改善せず。どうしたものか。どうも、自分がやってることに自信が持てなくなってきた。
吹いているのが楽しい。今はそう思える。でも、吹き疲れを懸念して吹かなくなったため、自分の出す音がだんだん悪くなっていくように思えるようになってきた。全体の士気は高まる一方、自分の実力はマイナス方向に傾いていた。今本当に不安である。どうしたらいいんだろうか。
明日本番だ。でも明日は通過点だ。「最高の葡萄酒を!」という声を聞く。でも、明日がこれから先の人生のなかで最高の葡萄酒になったら。それは終わりを意味する。俺らが目指すのはさらに先。ここ最近、どうも俺は地区大会がゴールのように思えていた。でも違うだろ、明日の本番は単なる通過点に過ぎない。やったらやっただけ演奏の質は良さを増すはずだ。明日は「今までの最高」を出さねばならない。先に進むためには先を見越して最高の演奏をしなければならない。
明日の本番を前に、今までのことをまとめて今の思いを語ろうと思ったのも、気を鎮めるため。でも役に立ってない。不安は増すばかりだ。その不安に勝つには最高のコンディションをつくらなきゃならない。明日はコンスタントに音をつくらなければ行けないようだ。ああ、どうしよう、文章のまとまらなさはどうやら今の精神状態を表してるようで。何だか分らないうちに本番を過ごすのだけは嫌だな、とにかく明日は楽しめる、楽しませる演奏をしたいな。
俺は変われたのだろうか。俺はこれからも変わることができるのだろうか。このアンサンブルが俺にどう影響し、影響するかは分っていない。・・・そんなことはどうでもいい。とにかく無心が必要なのだろうか。
金八メンバー、これを見ていないかもしれない。それでもいい。ただ一つ。明日は頑張ろう。よろしく頼む。
支離滅裂な文章をお許しください。結果や本番のことについては明日書きます。結果はモブログで。