2/27。母校古河第三中学校へ実地体験に行きました。一足どころか二足も三足もはやく教育実習です。
3限目は2−2での授業でした。東京書籍「NEW HORIZON English Course 2」のSpeaking Plus 5より、「買い物」のスキットを取り扱いました。
この課での目標は、1番に「買い物」スキットを通じて「申し出る表現」を理解する事です。そして、買い物をする際の言い回しや表現を理解することです。そして今回は、ただ教科書にあるスキットを読むのではなく、教科書のスキットとは違うデモのスキットを見て、実際に自分たちでもスキットを作るので、言語学習のサイクル「入力→運用→出力」ができるわけです。
担当は、C先生(チーフ)、T先生、K先生、G先生、enshino。ティームティーチング体制としては異例の5名です。
授業の最初は、小テストでした。スキットづくりの授業が大好きなクラスではありますが、スキットづくりのような発展的内容が出来るようにするためにはきちんと基礎を作る必要があるようです。自分もやってみましたが、一部答えがアヤシイところがありました。大丈夫なのか・・・
次はデモスキットの実演です。enshinoが考えたスキットをC先生とともに演じました。しかも2つも。
元々の教科書のモデル対話はこんな感じの設定です。
・客はセーターが欲しい
・色は暗い色が欲しかったので店員は緑色のものを薦めた。
・客は色は気に入った。しかし手渡されたものは小さすぎた。
・店員は大きいサイズを持ってくるように申し出た(←ここで基本表現 Shall I 〜)
・値段は5000円で、客はそれを買った。
こんな感じです。また、教科書の下の方には、その他の「買い物表現」も載っていました。
・見ているだけ ・サイズはいくつですか ・試着してもいいですか ・○色のものはありますか ・安いものはありますか など
それだけではつまらない、というのがC先生流。あらかじめ、いくつかの表現を盛り込んだ別のスキットを作り、授業ではそれを演技することで、生徒たちの興味を引くとの事です。
そこで作成したスキットがコチラです。長いので別の記事に掲載しましたが、簡単な概略だけ書いておきます。
1.ジーンズが欲しい内気な男と、幾分せっかちな店員
・男は最初青いジーンズを薦められるが、彼はそれが好きではなかった
・次に黒いジーンズを薦められ、それを試着した
・試着したものは大きすぎたので、一番小さいものを持って来てもらった
・価格は1万円だったので、彼は安いものは無いかと尋ねた
・そのジーンズが最安の品だったため、値切ろうとしたが断られ、最後には買わされた
2.彼女へのプレゼントを買う男と、世話焼きな店員
・彼女へのプレゼントに迷っている男は店員に彼女の写真を見せた
・店員はセーターを薦め、男もそれに同意した
・男の彼女はピンクが好きだったが、ピンクのセーターは売り切れていた
・店員は赤を薦め、男はそれに決めた
・一番小さいサイズを買い、ラッピングしてもらった。価格は4000円だった
・男は同じセーターのMサイズを買った。合計で8000円だった
上記のスキットでは、教科書のモデル対話には無い表現を用いました。
・試着していいですか ・試着室はあちらです ・もっと安いものはありますか ・安くしてくれませんか ・包装しましょうか
C先生は、台本を逸脱してしまうほどの熱演っぷりで、生徒はかなり楽しんでくれました。
デモスキットは、ただ実演して終わりではありません。ちゃんと聞き取りのアクティビティがありました。あらかじめ設定を説明しておくのと、聞き取りのポイントをしぼっておいた上で実演したのです。
<1.の聞き取りポイントと答え>
a.はじめに薦められたのは何色のジーンズか →青
b.2番目に薦められたのは何色のジーンズか →黒
c.それは何が問題だったか →大きかった
d.3番目に薦められたジーンズは、何が問題だったか →値段が高かった
e.客はそれを買ったか →買わされた
<2.の聞き取りポイントと答え>
a.何色の、どのサイズの、何の商品を選んだか →赤の最小サイズのセーター
b.選んだ商品をどうしてもらったか →包んでもらった
c.その商品はいくつ買ったか →2枚
d.合計金額はいくらか →8000円
あらかじめポイントを整理してデモスキットを演じたので、生徒はすんなりと答える事が出来ていました。
その後は、隣の席の人どうしでスキットを作りました。状況設定が違う3つのパターンがあり、ランダムに各チーム一つスキットづくりに挑戦していました。
3つのうち一つのパターンを紹介します。
・靴を買いにいった。いい感じの靴があった。
・色が気に入らないので赤い靴を出してもらう。
・値段が高いので安い方にかえてもらう。
買うもの=赤いshoes サイズ=L 値段=定価30000円
おのおのがスキットづくりを始めました。隣の席の友達と、色々話し合いながらしっかり取り組んでいました。教科書のモデル対話(本文)、その他の「買い物表現」をうまく使っていました。2つのデモスキットで扱った、教科書には載っていない表現を黒板に書き出すと、それもうまく使っていました。
前で発表はしないと言う事になっていましたが、それでも手を抜かずに取り組んでいた姿には感動しました。そして終わったところから、自分たちで対話の練習をしていました。ウルトラマンとバルタン星人のソフビ人形で遊んでいた生徒がいたので(そりゃまずいだろ)、「じゃ、ウルトラマンとバルタン星人で対話練習やってみ」と言ったら本当にやっていたのには驚きました。
=私の反省=
・オリジナルのスキットは我ながら力作だったと思います。
・ただそのデモのときに、C先生のあまりの熱演ぶりに圧倒されてしまった事は悔やまれます。
・もっと生徒の中に入っていって、生徒たちの作るスキットに耳を傾けても良かったのではと思います。
=授業の感想=
・生徒たちの参加アティテュードにはかなり驚かされました。全員が積極的にスキットづくりに参加する姿は感動でした。
・デモスキットの時点で、生徒たちはかなり楽しさを感じていたのだと思います。そして実際にデモスキットを作る事で達成感・喜びを感じていたのだろうと思います。
・上手なところは、指定された状況設定の他に自分たちの創意工夫もしていました(「確かに高いけれどその方がお似合いですよ」などは圧巻)。
・ただ、示されている表現を、完全に正しく運用できたかと言うと、全員がそうとも言えなかったので、そこを正してあげられる時間があっても良かったかなと思いました。
・実際に作ったスキットを生徒たち自身が実演する姿が見たかったです。
ここまでスキットづくりを楽しむという姿勢に本当に驚かされました。いい刺激になりました。「入力→運用→出力」のサイクルを、自分から楽しむ姿勢を持てるような指導をしたいと思います。
授業の後に、2−2の生徒たちにアンケートを実施しました。その結果は後ほど。