ライティング技法ワークショップ 講義メモ
第5回 07.11.12
本日の論題
『結論先行』型
(1) 「書くこと(=行為)」と書かれる「内容」との関係
・ 「内容(=メッセージ)」があるから書くのか?
頭の中に先に内容があるから書く、というステップ
⇔書き始める前段階で内容が100%出ているのか?
内容は後から出てくる(書く行為によって後から内容が生まれる)
→表現しているうちに内容が生まれてくる
・ 未熟な書き手にとってのKJ法の意味
書いているそばから内容が生まれてくる=結論が見えていない
→コントロールができていない(見通しが立たない・グダグダ)
あらかじめできるだけ「内容」を揃えてからがいい=KJ法という手段
KJ法の図解が内容そのもの(脳みそをいじくってできた)
・ 「書くこと」の効用
頭をクリアに、思考の中身を整理・構造化
(2) 「メッセージが伝わる」とはどういうことか メッセージが届く事が前提
・ 「メッセージ」は文書の中にあるものか?
文字たちの背後にあるメッセージ?←こんなもの無い!といえる
=A氏が感じるメッセージとB氏が感じるメッセージは同じか
・ 読み手とメッセージとの関係
読み手が読まなければ・誰も読まないのならばメッセージは発生しない
A氏とB氏のバックグラウンドの違い
どれが正しいのか、は存在しない・幻想じゃねぇか
・ 読み手の手がかりとは・・・ 各人が言葉の約束事を手がかりに読む
文脈(今時で言う空気)を判断して読んでいく
→読み手が持っている言語の約束を使って書く必要性
・ 「聞きまちがいは言い手の粗相(そそう)」(阿部 2006, p24)の原則
文書の誤解は作者の錯覚、結局作者がそんな書き方するから悪い
…作者の思考内の「正解」は、明日になりゃ違う
(3) 「結論先行」の勧め
・ 「結論先行」とはどういうことか? オチを先に書く
丁寧なのは結論後攻型だが・・・文書では?
・ 「結論先行」が読み手にもたらすこと
結論を聞いたら、理由を聞くよ(逆だとうざったい)
時間と労力の軽減、聞きたい事・知りたい事に答えられている、という実感
・ 「結論先行」が書き手にもたらすこと
不自然な事をわざとやりましょう。
参考文献
阿部圭一, 『明文術 伝わる日本語の書き方』, NTT出版, 2006年.