先日、とある基礎自治体の教育委員会から、Teach For Japanの7期フェローの肩書きで、キャリア教育について講演の機会をいただいた。今回機会をいただいたことで、少なくとも私は、たかだか3年間しかなかった現場経験のなかでも、好き勝手やらせてもらったさまざまな「再現不可能」ともいうべき実践たちと、その根底にある考え方を、つなげて整理できた感覚があった。とてももったいない気がするので、その時の資料をもとに、あらためて気が向くままに文字に起こしたら案の定とてつもない文字数になったので、分割しておいた。
目次
- ①プロジェクトという生き方、探究というキャリア : 私の「誇らしい過去」から
- ②「探究」の5つの要諦 : 対象への探究が、自分自身の探究に、つながり・広がる過程
- ③「キャリア」をめぐる見方・考え方:選択の自己決定、あるいは物語の辻褄合わせ
★いまここ↑
前の章では、探偵ナイトスクープの動画に端を発して、「探究」についての見方・考え方を深めた。動画からまとめた5つの要諦(好き・肯定・仮説・専門知・伴奏者:詳しくは前章を見てね)は、私のキャリアの中でも欠かせない外部活動であるNPO青春基地のフィロソフィーがあるからこそまとめられたものだし、2030年の学習指導要領改定につながる議論にも見られた。さらにはMIMIGURIの安斎さんの論考からも、そして現状の「総合学習」や「総合探究」に理念づけられている考え方からも、「問いと関心を持ち、学びを前に動かし、だれかと共に進む、そんな自分を知る営みとしての探究」ということが言えることを考えてきた。つまり探究とはキャリア。では一方で私は、「キャリア」という言葉をどう見通しているのか。それを書き出していきたいと思う。