雑誌「三田文学」の秋季号で、25歳の若さにして自ら命を絶った青年の小説が載っているとのことで、書店をかけずり回って探したものの、見つかりませんでした。
そのうち、文庫コーナーでふとであったのがこの作品。タイトル「遺書」の2文字が大きなショックとともに僕の脳裏に焼き付いてしまったのです。あっ、という瞬間に手はその本に伸びていました。文庫本だから読みやすいだろうと、そのまま手に取ってレジに向かいました。
別にブルーになっているわけではありません。ただ、読んでみたくなったんです。新聞生活をやっていた効果はあったようで、スラスラと読めました。文庫ですら5日近くかかっていた僕が、この本ばかりは2日で読めたのでした。