講演録:「採用活動」から、就活を考える

先日、『職業講話「サラリーマンとしてはたらく」』を書き終えてFacebookにシェアした。幸い、「いいね」を多くいただいたけれども、実のところ、あれを読んだ人がどんな感想を持ったのかが知りたかったわけで、もうちょっとコメント欄で対話をしたかったというのが正直な所である。あの文章はある意味、ここまでの社会人生活の、一つの区切りとしての棚卸しになったわけで、私なりの考え方として世に問うてみたかったものだった。

んで、実はあの職業講話の3日後、今度は仕事として、とある大学のサブゼミで、本業の一環として大学3年生向けのワークショップをさせてもらう機会をいただいていた。マーケティング関係のゼミで、弊社が協賛するゼミ対抗のマーケティング大会の運営をしているゼミの3年生向けに、就職活動をテーマにした勉強会をする、ということになっていたのだ。

で、案の定いろいろ間に合ってなくて、例の職業講話を終えてから間髪入れずに資料を作り始め、結果的にスライドの完成は講演の20分前だった。しかもそのときは、金曜日に石巻で職業講話をしたあと仙台泊、土曜日は大阪に移動して、日曜日は大阪で仕事、後泊して月曜日の昼頃に移動して昼過ぎに講演、という、かなりハードスケジュールのなかでコンテンツを作った。

その割には、というか思った以上に、私自身の「人事としての固定観念」を整理したものになったので、今回もまた書き留めておこうと思う。 続きを読む

職業講話「サラリーマンとしてはたらく」

2018年11月、311以降から関わってきた石巻の子ども支援の団体・一般社団法人プロジェクト結のご縁で、宮城県石巻市の内陸の方の中学校で職業講話に登壇させてもらった。私以外に4人の「社会人」がいて、木工職人・大学教授・管理栄養士・靴職人、というバリエーションがあるなかで、私は「東京の、無形商材である、マーケティングリサーチの会社の、人事をしている、サラリーマン」という、おおよそ中学1年生からしたら縁遠いどころかイメージすらつかないポジションの人間としてその場に赴いた。まさしく無理ゲーである。

みなさんがふだん、スーパーやコンビニで見かけるような飲み物・お菓子・食料品から、着ている服、スマートフォン、自動車や鉄道、ゲームやテレビや動画サイト、マンガや本や雑誌まで、ありとあらゆる「商品」や「サービス」のウラガワには、それらが売れるためのしかけが隠れています。私の会社は、そんなモノが売れるしかけである「マーケティング」をするために必要な情報を、アンケートを使って調べています。「世の中の人々は、どんな商品やサービスを求めているんだろう」「この商品をもっと買ってもらうためには何をすればいいんだろう」そんな、企業のお悩みを、調べることで解き明かしていく仕事です。私・遠藤は、そんな会社のなかで、一緒に仕事をする「会社の仲間さがし」をする【人事】という役割をしています。ちょっとイメージしにくい、「企業を支える仕事」「インターネットを使った仕事」「サラリーマンとしての働き方」を、お話します。

というプロフィール文だけ先に事務局に送り、結局資料作成は前日から当日にかけて突貫工事で作成した。だがその割には、というか、思った以上に、自分自身が「はたらく」ということをどのように捉えていたのかを捉え直す良い機会になったのは確かなので、ここに可能な限り話の筋を思い返して書き起こしておきたいと思う。

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リクエストに合わせて500字の文筆をしてみる

やるべきことが多いのに、やる気が出なくて、ヒマに思えていたので、ブログでも書こうかと思ったけど、書くネタがなかったので募集してみたのだが、いろんな人がいろんなリクエストをくれたので、書けるものは一つずつ500字程度で書いてみることにした。

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『ワークショップとは「あつまったみんなが、うまいことやって、なんかうみだす」ための考え方』 – 青学WSDのレポートから②

青山学院大学社会情報学部ワークショップデザイナー育成プログラムの28期が終わって1ヶ月経った。3ヶ月間、ほぼ週末をこのWSDプログラムに費やし、動画教材を見てレポートを書くわ、様々なワークショップを参加者として体験するわ、考えや価値観を互いに発表し合うわ、ワークショップを実際に企画して実践するわ、それに対してリフレクションするわ、もうめまぐるしかった。そんな日々の終わりから1ヶ月、その後、後に続く期の皆さんの交流会の準備にも関わり、まぁめまぐるしかった。ちょっとずつ、WSDとしてのご相談も頂くことが増えてきた。

で、20本近くレポート(とはいえだいたいが400−800字。多くても2000字で、文章が長い私にとっては造作もない)を書いたのだが、その中で2本、まぁそれなりにエモい文章を書いたなと自画自賛する作品があって、すでにその片方はご紹介したが、今回はもう片方をご紹介する。

今回は最終課題をご紹介したい。「ワークショップを知らない人に説明して下さい」とお題で、自分自身で説明相手を設定する。いろいろ悩んだ挙げ句、小学校を卒業する直前の子どもたちを対象に書き出してしまい、案の定、なんかお手紙みたいになった。

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「勉強、意味分かんない」って君へ。 – 青学WSDのレポートから①

青山学院大学社会情報学部ワークショップデザイナー育成プログラムの28期が終わった。3ヶ月間、ほぼ週末をこのWSDプログラムに費やし、動画教材を見てレポートを書くわ、様々なワークショップを参加者として体験するわ、考えや価値観を互いに発表し合うわ、ワークショップを実際に企画して実践するわ、それに対してリフレクションするわ、もうめまぐるしかった。そんな日々も今日終わった。

で、20本近くレポート(とはいえだいたいが400−800字。多くても2000字で、文章が長い私にとっては造作もない)を書いたのだが、その中で2本、まぁそれなりにエモい文章を書いたなと自画自賛する作品があったので、その片方をご紹介する。

今回のお題は「3つの学習観を使って「学習を幅広く捉える」ことをテーマに、中高生に向けたメッセージとしてまとめてください。」というもの。ここでの「3つの学習観」とは、行動主義・認知主義・社会構成主義の3つであり、教育学畑だと一度は耳にした概念だと思うが、これを「中高生に向けたメッセージ」としてまとめる無理ゲー感に対して果敢に挑戦した結果、なんか、お手紙みたいになった。

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「勇気と気づき」のために、「その人」に向き合う

6月1日を超えた。経団連が出す「採用選考に関する指針」に照らせば、各企業は6月1日以前の採用選考を厳に慎むということに配慮しながら自己責任のもとに採用活動を行ってきた。んで、多くの企業が6月1日以降に面接を始め、そうした企業の一部が「みんなが行きたがる企業」なので、就活もそこで一気に動きが出た。採用担当の私も、当然ざわついた。

こういう時期になると、私はどうしても、センチメンタルになって、文筆をしたくなって、んで書いちゃう。勝手に熱く・長く、書いちゃう。そんなことするヒマがあれば働け、って自分でも思うけれど、書いちゃう。それはどうしてもこの時期になると、自分の働くスタンスを考えてしまうからだ。ただ幸いなことに、下記に書こうとしている文章のキーワードである「勇気と気づき」というのは、30歳を目の前にして、「ようやく出会えた!」と思える、自分の生きるスタンスを示す言葉だったりするのだ。

というわけで、先日、会社の人事部内で自分がプレゼンした話を基に、あくまでも個人の見解ではあるが、私と会社との関係性やら、自分のスタンスやらを書いていく。 続きを読む

マクロミルで社会貢献プロジェクトを立ち上げた話

2018年4月16日、私が勤務する株式会社マクロミルは、公式サイト「おしらせ」欄において、社会貢献活動「Goodmill」プロジェクトの開始を発表しました。社内には2018年1月に発表、そして去る2018年3月に開催されたファンドレイジング日本の懇親会にてティザー発表され、そして4月に入って正式に対外的発表がなされました。

このプロジェクトは、社内の組織図には属さない(それこそCSR活動は広報部門に置かれるか、またはそれ独立の組織ができることが多い)全社横断型の「委員会」という立て付けとなっています。プロジェクトを取り仕切る「事務局」も、意志ある社員のネットワークである「プロボノ」も、全社から手挙げで集まった社員です。社会貢献に関心のある社員が、自分たちの参加可能な範囲で、事務局が企画ないし紹介する社会貢献活動に参加していく、という世界観を実現します。

その活動の柱は、

① 非営利組織向けのマーケティングリサーチ技術支援
② 災害発生時におけるニーズ把握・情報流通面の支援
③ 社員による社会貢献活動の積極的な推進

の3つです。

そして4月16日の対外的発表においてはもう一つ、活動の柱①のMR技術支援の一環として、マクロミルが持つ手軽なリサーチツールである「ミルトーク」と「Questant」の有料機能を、特定非営利活動法人向けに無償開放をすることを発表しました。ここを皮切りとしつつ、現在もいくつかの連携・支援の話が進んでいます。

マクロミルはこれまで、リサーチの裾野を広げることを通じて、クライアント企業が世の中によりよい商品やサービスを届けるお手伝いをしてきました。それ自体、よりよい世の中をつくる社会貢献であると思います。しかしまだ、世の中には解決すべき多くの課題があり、そうした社会課題解決を、営利を目的とせずに担うアクターが数多く存在しています。そうしたソーシャルセクターが、想いや課題感だけでなく、きちんと生活者のニーズを捉えることを通じて、より精度の高い社会課題解決に取り組むことができるようになる。そのサポートを通じて、リサーチの価値を社内外に広めていく。それがこのプロジェクトの目的です。

「リサーチで、世の中をもっとよくできる。」

この合言葉のもとに、今回の対外発表を出発点として、社会課題解決に向けた支援を推進していきます。

そして、この記事で私がお伝えしたいのは、紛れもなく私自身が、このプロジェクトを立ち上げた中心的な人物のうちの一人だぞ、ということです。これまでの、私自身の半生におきた様々なことが、このプロジェクトにおいて結実したた、ということを、相変わらずの長文にて皆さんにお伝えします。

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経験則だけで書く、「研修のつくりかた」

あけましておめでとうございます。旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願いします。って書き出しが2月末の時点でおかしいのですが、この記事は新年に書ききろうと思って書けなかった記事です。

さて、自身としては衝撃だった人事への異動からまる3年経ち、いよいよ現場感が日々薄れゆく中ですが、2017年は人事社員としての広がりを持てた一年だったように思います。本業もさることながら、人事コミュニティへの参加や、NPOでのプロボノをすることでの働き方変更へのチャレンジなど、いろんなことが起きました。それなりに思うことも増えましたが、ここで一つ、私のメインミッションであった「企業内大学」、と言いつつ実際には手挙げ制の研修なんですが、これを企画・実施する上でおそらくはこれが必要だと思えるポイントをあげつらってみました。 続きを読む

鞆の浦の感じたことをメモ:文脈を紡ぐということ

8月10日の夕方の飛行機で広島に飛び、そこから福山に至って、持ち込んだ折りたたみ自転車で芦田川沿いを走って、そこから県道に折れる、そんなトータル13kmライドをするところから始まり、8月12日の土曜の始発のバスまでを、鞆の浦という場所で過ごしました。その時の、とりとめもない雑感を思い出しながら、ツラツラと書いてみました。
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ある種の羨望・嫉妬、その結果としての、僕の「青春基地」


2017年の3月ごろから、NPO法人・青春基地にジョインしています。目下、150万円のAll or Nothing形式のクラウドファンディングに挑戦中で、行くか行かぬかギリギリの攻防です。私も、やれることをやれるだけやらねばならぬというところです。

とはいえ、プロボノとしてコアチームに関わるというのは難しいなぁと思う限り。十分に貢献できているかといえば、個人的には「なかなかねぇ」というところ。ちゃんと時間を確保して、自分の強みを活かして関わるのは大変です。だからチームには「残念ながら、ここは遊びとして関わっている」と言い切っています。が、サポートをもらっている他のプロボノに比べたら、まぁふざけた態度なのも事実。

ちょうどよいタイミングで会社の上司からも、「どうせやるならエクストリームな働き方改革を」と勧められたこともあり、来週くらいから週一でフレックス夕方退社をして3時間の非常勤をすることにしました。「空いた時間で活動する」というのがまったく自分のスタイルに合わないので、そうして「閉じ込められる」ことでちゃんと仕事をしようという目論見です。それくらい、それまでの様々なプロジェクトへの関与の反省も踏まえて、ちゃんと関わろう、と思っています。

その理由を、書いてみました。

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