ワニが死んだ。僕は時々「死にてぇ」と思っていた。

ワニが死んだ。

とっても優しいワニだった。でも、ちょっとした勘違いやすれ違いで、気を揉んだり不安になったり違う自分になろうとしたりした。けれども、そのままの彼であることを周りも認めたし、彼もありのままに振る舞いながら、未来に希望を持っていた。

でも、そのワニが死んだ。

わかっていたこの結末を、しかし儚さをもって見つつ、生きることの尊さを感じる。しかしながら一方で、僕には時折「あぁ、死にてぇ」という感覚を持つことがあって、いつかはそのことについて書きのこそうと思っていたけれど、それが今な気がした。

職業柄、憚られることは分かっている。けれども多分、こう感じている人は、きっといるんだろうと思いながら。

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教育キャリアで迷う人への10の質問

2010年からの友人であり、Teach For Japan教員の先輩であり、新興ツイッタラーながらも教育界隈では絶大なインフルエンサーであり、それがゆえにいい意味で憧れと嫉妬を抱く相手である木村くんが、こんなことをつぶやいていたので、「記事書けよ」とハッパをかけたら「じゃぁ書いて」と逆に言われました。私としては追い込んでやって書かせるつもりでしたが、私としてもネタになるので、つい書き出してしまいました。

元人事であり、駆け出しの現職教員として、世に問うてみることくらいはしたいなと思ったので、「10のアクション」ではなく「10の質問」を作ってみました。

ちなみに、先んじてこんな記事も出ており、これを前提に書いた部分もあるので、参照してください。

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高校生マイプロ2019九州サミットのファシリテーターをやった:前編・場づくり担当のあたまのなか

2月23日に、全国高校生マイプロジェクトアワードの九州サミットに、発表会場のファシリテーターとして参加した。時すでに新型コロナウイルスの影響が出始めているところではあったので、なんとかイベント自体が開催できてよかったなと思う一方、これから書こうと思っている「プロジェクト」のことを思うと、なんというタイミングなんだろう、と思う。

突然の臨時休校となり、生徒たちには「学びを止めるな」というメッセージを発したが、それから数日経ってネットの意見を見ると、何とかして大人が子どもに「学ばせる」ことをしようとしている側面があるように思えてきたり、はたまた「こんな時くらい宿題とか教科学習とかじゃなくて、ボーッと考え事したり、本を読んだり、外遊びしたり、そういう解放をしてもいいじゃん」という意見を目にしたり、休校中の過ごし方については、余白を持たせるような言葉かけや手立てをとってもよかったんじゃないかと思うところがある。

それでもやっぱり、生徒たちへの願いとして「学びを止めるな」と伝えたいと思うのは、年度最後の授業でも語ったような、自分自身の原体験があるからだと思う。この状況下だからこそ、自分で学びを進めていく、あるいは、この状況をどうにか切り拓いていく、そんな活動が起きてきたっておかしくはないだろう。友人にこれを話したら、それは求めすぎだと言われたのだが、それでも私がそうした希望を「生徒たち」に持ったのは、マイプロ九州サミットで感じた、高校生たちの「プロジェクト」という挑戦を介して伝わってくるエネルギーがあったからに他ならない。

前置きが長くなったが、この記事では2つのことについて書こうと思う、と思ったら案の定長くなったので、前後編に分けた。前編では、出場各チームがブロックに分かれてプレゼンテーションを行うセクションで、ファシリテーターとしての私が場づくりで心がけたことを。後編では、プレゼンテーションを終えて振り返りをしているときに生徒たちから聞こえてきたストーリーを。そのどちらにも共通するのは、ポジティブな意味でもはや逃れられないと思うほどに、私の根底に「プロジェクト」が根ざしている、ということだ。 続きを読む